ピットジッターとクロックジッター 1ps

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▼ジッターに関する論文をみてみる
 先日のエントリで言及しました,ピットジッター(CDのデータを記録する窪みの形状の精度)とクロックジッター(DACが動作する上で必要なタイミング合わせの精度)が直接関係ないという話について,少々捕捉しておきましょう。
 一般的には,以下のような説明をすることになるでしょう。

「 CDプレーヤの場合、メディア要因およびデータ読み取り部においてジッターが生じやすいと通説的には唱えられている。そして、インターネット上では、メディア上のピットを読んだ際のRF信号におけるアイパターンに含まれるジッターの様相が、メディアによって変化するデータ1も公開されている。もっとも実際には、読み取られたデータはCIRCデコード後にバッファメモリに蓄えられ、アイパターンの読み取りを制御するクロックとは別の水晶精度のクロックを分周したサンプリング・クロックを用いてアナログ波形に変換されるため、原理的にはデータ読み取り時のジッターは、アナログ再生音に影響を与えないと考えられる。しかし、データ読み取り時の制御回路やエラー訂正回路の働きが、それ以外のディジタル回路の動作にも電気的な影響を与え、サンプリング・クロックにジッターを生じさせるという考えもある。」
http://www.iic.tuis.ac.jp/edoc/journal/ron/r7-2-8/r7-2-8d.html
東京情報大学研究論集 Vol.7 No.2 (2004.2) pp.79-92
『ディジタル・オーディオ機器におけるサンプリング・ジッターの諸様相とその要因』

 上掲の論文は非常に有名なもので,デジタルケーブルで音が変わらないとする方にとってはバイブルのようなものとも言えるかもしれません。また,ジッターは聴感上影響しないよという方にも有名でしょうね(上掲論文はD/AしたものをA/Dして比べていますので,検知限以上・以下の話が主眼である点にご注意ください)。

▼ピットジッターはアナログ再生音に無関係?
 それはさておき,引用した文章にて述べられているように,CDのピット形状のきれいさというのは,理論上は音に影響しないはずなんですね。
 これは,CDのデータはそのままPCM信号になっているわけではなく,傷に強くなるようにわざわざ配列を変えてデータが記録されており(CD-DA形式),これを復号化(CIRC)して,バッファにため込んでから,PCM信号としてクロックと一緒にDACに送られる仕組みとなっているためです。

 ですから,相手を説得しようとするならば,こういうベーシックな理解をふまえて,それでも音は変わって聞こえてしまうとすれば,それはどうしてだろう?という疑問に答えなければ,説得的な主張とはいえないように思います。
 もちろん,実際に音が違って聞こえると言う話をただ感想として述べるのは構わないと思いますが,もっともらしいが筋違いな理屈を述べて特定の考えに誘導するというのは誤解を生むだけなので,色々と気をつけないと…。

 さて,どうしましょうか(笑)。というわけで,次回に続きます。

ピットジッターとクロックジッター 1ps」への3件のフィードバック

  1. さもえど

    あぁ、普段から好き放題書き散らかしてるので、微妙に耳がイタイなぁ・・・^^;
    理論がどうだろうが、変わってしまうのが当たり前と、頭の中で凝り固まっちゃってるし。ww

    さて、”理論上”っていうのは、微妙な表現ですよね。
    何故変わるか・・・と言われると、本当に難しい。^^;
    おそらく複数の要因の中から、もっとも影響を与えてると思われる要因を”推測”して、結果にこじつける・・・というのが、限界だと思います。
    だから、”これが正しい”と言い切れる事象は、何一つありません。ww

    チョット脱線ですが、個人的には、ここ(↓)もミソの一つかな・・・と。

    >データ読み取り時の制御回路やエラー訂正回路の働きが、それ以外のディジタル回路の動作にも電気的な影響を与え

    制御回路やエラー訂正回路のバグによっても音は変わるんでしょうね。
    設計者(この場合、標準策定者含むかな)の想定通りにソフトウェアが組み立てられることは(多分)ない・・・というのが持論です。
    これは、前述したところの”主な要因”とは違うと思いますが、各社の音の違いは、ハードウェアだけではなく、ソフトウェアとそれに含まれるバグの音・・・ともいえたりして。(爆)

    あぁ、ヤッパリまた適当な推測(・・・というか想像w)をしてしまった。orz
    しかも、ジッターあまり関係ないし・・・スミマセン。m(__)m

    返信
  2. えるえむ

    さもえどさん,コメントありがとうございます^^

    > あぁ、普段から好き放題書き散らかしてるので、微妙に耳がイタイなぁ・・・^^;
    > 理論がどうだろうが、変わってしまうのが当たり前と、頭の中で凝り固まっちゃってるし。ww

    好き放題なのは良いことだとおもいますよ。そういう方がおっしゃっていることに新しい発想のヒントがあったりして,私はとても参考にさせてもらっています。
    さもえどさんのBLOGは自分はこう感じたということを書いているBLOGなので,それがさもえどさんご自身のなかで真実なのであれば,何人たりとも否定できないことだと思います。

    でも,理論や仕組みを知っておいて悪いことは一つもないと思うんですよね。
    また,理論通りに動くことを目指して回路やパーツは実装されるわけで,そういう現場で働いている方々の努力は素晴らしいことだと思います。
    少なくともバイナリは一致するだろうと言われていること自体素晴らしいじゃありませんか。非接触で高速回転中のディスクからレーザーで読み取っているのに…です。

    > さて、”理論上”っていうのは、微妙な表現ですよね。
    > 何故変わるか・・・と言われると、本当に難しい。^^;
    > (中略)
    > だから、”これが正しい”と言い切れる事象は、何一つありません。ww

    誤解があるといけないので,念のため申し上げておきますが,私は,正しく証明すべきとか思っているわけではなくて,論理の流れとして,きちんと段階を踏んで欲しいと思っているんです^^;
    別に仮説でもいいんです。おっしゃるように,理想状態というのはまさしく理想状態なわけで,現実は違いますから何か問題があっても不思議ではありません。
    この辺りも今後言及することになっていますので,お楽しみに。

    一番やっかいなのは,最近特に多いメーカーの提灯記事ですね。紙面の余白にメーカーの連絡先がこっそり書いてあるというアレですw
    なんかもっともらしいことはいうけど,説明になっておらず,こういった記事はユーザーに対して誠実でないとおもいます。

    この連載は4回くらいつづきますので,最終的にはさもえどさんの頭もスッキリ!といった感じになるとおもいますよ♪(理論上は…(爆))

    返信
  3. さもえど

    今回は、勉強させて頂くつもりで、連載を楽しみにしておきます。m(__)m
    是非、スッキリさせて下さい。www(毒ぢゃないですからね。^^;)

    それから、スミマセン、誤解を与える文章になってましたね。^^;
    あくまで、ワタシの中で”これが正しい”と言い切れる事象がないだけで、書き方に問題がありました。
    訂正させて下さい。m(__)m
    0と1の狭間で、信じたくない(w)現象にばっかり付き合ってるので、ご容赦をば・・・。

    それから、仰るとおり、理論を知っておくことは、とても大事です。
    ワタシも誤解がないようにと思いますが、決して理論をないがしろにするつもりは、全くありません。
    理論があって、初めて理想に近づけるわけで、理論がないのに、ただ闇雲なのは、単なる”下手な鉄砲”です・・・って私のことか。(爆)

    大事なのは、そのギャップをいかにして埋めるか・・・だと思うのですが、メーカーにはギャップを埋める手段をキチンと理論立てて説明する”努力”をして欲しいな?とは思います。
    ワタシみたいなアホに分かるよう説明するのは、ヒジョーに難しいのは分かってますが、そこは営業努力でってことで。(爆)

    返信

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