A&Vフェスタ2009に行ってきました。 3部屋目

closeこの記事は 7 年 9 ヶ月 6 日前に投稿されたものです。最近の記事内容との齟齬がある場合,リンク切れが頻発している場合がありますが,ご了承下さい。

▼聴いてきたブースその2
○ビクターエンタテインメント
15.jpg

 こちらはガラスCDのデモをされていたのですが,個人的には期待を良い意味で裏切られたので最も印象深かったブースとなりました。
 ガラスCDは18万円と異常なコストですし,素材を変えてもバイナリは一緒なわけで,ピットジッターがどうといわれても,クロックと一緒に復調するわけじゃないですから,理論的には疑問符がつくのは否めないですからね…。

 が,ガラスCDの音は確かに良いです…(プレーヤーで再生した場合に限ります)。ハイビット・ハイサンプリングレートの録音とはまた違う雰囲気で,通常のCDと比べて高域の歪みっぽさが消え,低域方向にレンジが拡大したような,懐深い低域がでたのには驚きました。う?む。不思議。

 なんと,ビクターエンタテインメントの高田英男さんと秋元秀之さんが司会進行や質疑応答をされてました…w お二人とも凄く良い方でした♪

※ 高田英男さんと秋元秀之さんについては下記。
http://www.musicman-net.com/report/19/index.html

 加えて,潔いなと思ったのは,聴感上変わって聞こえるのだから,あとはその素材を生かしてどうマスタリングするのかを考えているという姿勢ですね。もちろん,技術的にどういう現象が起きてそうなっているのかの関心は持ち続けているようでしたが,製作現場の彼らからしてみると,出てくる音が全てなのは至極当然でしょう。
 ちょっと前にサンレコ3月号のマスタリング特集を読んでいると,特性としては劣っていても聴感上好ましいものは積極的に採用すると言い切っているエンジニア氏もいて,マスタリングエンジニアはどちらかといえばアーティストに近い職業なのだと認識を改めたこともあり,こうした姿勢は逆に好感が持てました。

 反面,ガラスCDの技術説明を全てエンジニアさんにやらせるというのはちょっと無謀な気も…。せめてメモリーテックの方が来ていないと…。スタジオエンジニアさんは録音技術については詳しいとはいえども,CDプレスとクロックとの関係を正確に説明させるのはいくらなんでも厳しいと思います。
 特に若いお客さんはK2HDやガラスCDが技術的にどういうものなのかを質問することが多かったみたいですが,説明をされていたのが,技術担当の方ではなく製作担当の方でしたので,細かい言い回しの齟齬で誤解を招くこともあるのではないかという気は致しました(まぁ,回転させるオーディオ用プレーヤーですと色々実際の影響はあるでしょうが,モデル論としては音に影響はないはずで…)。

 また,ガラスCDはK2HDマスタリングとセットとなっているわけですが,K2HDマスタリングというのは,要するに,スタジオエンジニアがハイビット・ハイサンプリングレートのマスター音源と比較しても聴感上相違がないようにアルゴリズムを使ってCD規格のデータを変換することをいうようです。従前のレガートリンク等のような類推補間技術とは全くちがうものということですね。

 このように,K2HDマスタリングは素材に応じてマスタリングし直すことも視野にいれたもので,ガラスCDの音の変化を前提にK2HDマスタリングをし直しているそうです。通常CDに比べるとガラスCDのほうがマスター音源に近い感触が得られるそうですが,ということはリッピングすると想定外の音になる可能性もなきにしもあらずですねw
 18万円という価格は制作者側としても気軽に購入を促すのは気が引けるそうですが(笑),CD媒体で最もマスター音源に近い音質を出せたという自信は大いにあるそうで,こうした企画を了承してくれた会社に感謝していると発言されていたのが印象的でした。

○余談
16.jpg

 ビクターエンタテインメントのブースでは,A730やGENELECのSpを持ち込まれてのイベントでした。やはりA730じゃないとでない音があるということで,音楽製作現場では変わらずA730が標準となっている様子がうかがえました。
 反面,その状態で音作りをしている以上,市販品では「音色」のマッチングがとれるのかという懸念はありますね。理屈をある程度すっ飛ばして聴感で調整する媒体である以上,そのあたりの問題はなかなか解決しないかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title="" ktai=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">