Blu-spec CDを聴く 3枚目

closeこの記事は 7 年 5 ヶ月 22 日前に投稿されたものです。最近の記事内容との齟齬がある場合,リンク切れが頻発している場合がありますが,ご了承下さい。

▼Blu-spec CDの技術的特徴(その2)
【Q】リッピングによってメモリやHDD上にデータを格納した場合には,ディスクの品質の違いはどのような変化になりますか?
【A】理論的には違いはないので,公式な回答としては「品質の違いは失われる」ということになります。なお,コンピュータ上のデータを再生する場合には,(個人的には)メモリに使われているクロック,HDDに使われているクロック等,ハードウェアのクロック精度の影響が相対的に大きいという印象を持っています。

【Q】Blu-spec CDが通常CDと異なる音質であるとすると,その原因には何が考えられますか?
【A】ピットジッターに由来する音質の変化については,現状測定する手法がなく,聴感で判断する他ないと考えています。仮説の域を出ませんが,CDプレーヤーは各部の電源が共通化されているので,グラウンドを媒介としたジッター量の変化,ノイズ量の変化が影響しているのではないかと予想しています。

【Q】従来はプレス工場によって音が違うことを経験したアーティストやエンジニアが工場やラインを指定することがあったそうですが,Blu-spec CDはプレスマシンごとの品質のばらつきはどの程度ありますか?
【A】CD登場初期にはライン毎のCDの品質のばらつきが顕著だったため,たとえば奥田民生氏や大滝詠一氏らはプレス工場を指定して納品をしていました。しかし,5年前ほどから,SONYではプレス品質向上を目的として,全てのプレスマシンに一台ずつアイソレーショントランスを導入して工場全体の電圧変動を極力抑える等の対策を講じてきました。その結果,現在ではプレス工場の指定はほとんど無いほどに,品質が均一化・向上しています。

▼Blu-spec CD技術の展望
【Q】価格が高く設定されていることについてはどのようにお考えですか?
【A】制作側でCDの値段が上がることに抵抗を持っている方はいらっしゃいます。コストはできれば下げたいものの,現状ではどうしても制作方法が非常に高コストにならざるを得ません。たとえばBlu-spec CD用のポリカーボネートを装填するマシンは制作のたびに部屋に搬入し,そのたびに清掃しなければならないといった状況です。

【Q】Blu-spec CDの登場により,SACDは生産を終了させる予定はありますか?
【A】SACDの生産を終了させる予定はありません。Blu-spec CDと比べても,SACDの音質上の優位性は揺るがないと考えています。

【Q】現在は限定的に生産しているBlu-spec CDですが,最終的に全CDをBlu-spec CD化する予定はありますか?
【A】売り上げ次第では,全てのCDをBlu-spec化することもありえます。

■ 以上です。なかなか興味深いお話をきくことができました。今回はソニーミュージック コミュニケーションズ執行役員で制作技術本部の渡辺隆志本部長をお招きして行われた企画でしたので,非常に内容の濃いイベントになったように思います。またこのようなイベントがあれば是非参加したいです^^

Blu-spec CDを聴く 3枚目」への2件のフィードバック

  1. juubee

    興味深いご紹介有難うございました。ただ、公式アナウンスと実態は異なることも多いですけどね。

    生産には結構手間隙かかっているようですが、今のところ世に音質が認知されているとは言い難く、(たぶん)酷いものが多い海外プレスもさほど問題になっていないところから、日本だけがプレスにこだわっても時間の問題のような気がしています。ちょっとさびしいですけどね。

    SACDも下位互換のための2層構造が足を引っ張っているのが興味深かったです。

    >現在ではプレス工場の指定はほとんど無いほどに,品質が均一化・向上しています。
    そりゃ、大昔よりは均一化したでしょうが、どの程度なのかは我々には良くわかりませんね。もっと踏み込んで、例えば工場ごとのCDを聴かせていただくとかしたいところですが・・(笑)。

    >ピットジッターに由来する音質の変化については,現状測定する手法がなく,聴感で判断する他ないと考えています。
    以前からなんとかならないかと思っているんですが、メーカーにこう言われてしまうと、スキルもない1ユーザーが大それたことを考えてもどうしようもないような・・(^^;;

    返信
  2. えるえむ

    juubeeさん,コメントありがとうございます^^

    >もっと踏み込んで、例えば工場ごとのCDを聴かせていただくとかしたいところですが・・(笑)。

    同じCDで違うプレスというと,Victorプレスと東芝プレスでしたら手持ちのCDがありますが,あとは門外不出なんでしょうねぇ。
    テストプレスは積極的にやっている印象を受けました。

    >以前からなんとかならないかと思っているんですが、メーカーにこう言われてしまうと、スキルもない1ユーザーが大それたことを考えてもどうしようもないような・・(^^;;

    そうですねw
    ピットジッターが音質に影響するとすれば,クロックジッターの変化とデジタル&アナログ回路に混入するノイズ量の変化の二つしかないということについては,同じ見解のようでした(プレス責任者の方と一緒の見解で一安心です(爆))。
    結局は,クロックジッターやノイズ成分を“動的に”観察することがとても難しいということが課題のようです。

    返信

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