音楽CDとリッピング その2

closeこの記事は 9 年 3 ヶ月 29 日前に投稿されたものです。最近の記事内容との齟齬がある場合,リンク切れが頻発している場合がありますが,ご了承下さい。

 前回のエントリで言及したとおり,PCといえども音楽CDはレッドブック準拠ということですから,何ら工夫無く読み取ればバイナリ一致を完全に保証できるかどうかも怪しくなってくる,ということかもしれません。「市販CDPはバイナリ不一致であるところ,当社製オーディオPCはバイナリが完全一致する」といったことを売りにしている某社の製品は,ちょっと宣伝文句として怪しくなってくることがわかります。いくらデジタルデータを送り出すカードが優秀でも,リッピング方法に問題があればその努力は水泡に帰するからです。

 では,PC用ドライブはCDP/CDTと完全に同一の動作しかしていないのでしょうか?私見では,そうとはいえないと考えています。

 確かに,当初CDリッピングというものが世の中に登場した時(CD2WAV32が登場する以前?登場後しばらくの間)には,バイナリ値が一定にならないといったこともあったようです(私は生憎その時代にはリッピングを行っておりませんが…)。
 その後,CCCD(コピーコントロールドCD)が登場したあたりから,CDリッパーというソフトが社会的に注目を浴びるようになりました。ちょうど,CloneCD,CD Manipulator,ExactAudioCopyあたりがしのぎを削っていた時代です。これらは,音楽CDはもちろん,CCCDすらも高品質にWAVファイルにしてしまうというのを売りにしたソフトです(なかには別のコピープロテクト突破を売りにしたものもありましたが…)。

 CCCDとはなんぞやという方は下記参照。
http://www.muplus.net/cccd/faq.html

 また,同時期から,CDリッピングを含めた読み取り品質はドライブに依存するということが,ちょっとPCに関心のある人々の間ではよく知られるようになりました。
 なぜなら,如何にソフトウェアが優秀でも,TOCが狂ったメディアもすんなり読むことができるドライブと,そうでないドライブがあったからです。もちろん,レッドブックに正しく準拠しているのが後者で,ある意味規格に+αな機能を付加しているのが前者です。
 こうして,CCCDを安定的にリッピングするには,
(1)CDリッパーがCD-DA以外を無視する仕様になっていること&リトライを複数回行うモードを備えていること
(2)取り込み用ドライブがTOCを無視して独自に読み込むこと&リトライを複数回連続で行うことを許容する設計であること
という条件が必要だということが認知されるに至ります。

 TOCとはなんぞやという方は下記参照。
http://kw.allabout.co.jp/glossary/g_digital/w006736.htm

 このように,CCCD登場以降,良くも悪くもCDリッパーの存在が広く知られるようになるとともに,CCCDをリッピングできないPC用ドライブは粗悪品,といったイメージが市場に広まりました。
 そりゃそうでしょう。リッピングできるドライブとできないドライブが存在したら,できるドライブを選ぶに決まっています。規格に準拠してるかどうかは大半のユーザーには関係ないことです。多くのユーザーにとって,できるかできないか,それが最大にして唯一の問題であったことは自明でしょう。
 私は,この時期からPC用ドライブを生産する各社は売り上げを増やすべくレッドブックに“素直に”準拠することを放棄した(やれることは何でもするようになった),と理解しています。つまり,PC用ドライブのメーカーは「CDのTOCを無視して」「リトライに強い」ドライブを生産するようになった,ということです。

 もうちょっと続きます。

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