【連載】PCオーディオ研究 その2

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 本エントリは「PCオーディオ研究」の下書きです。疑問・質問・つっこみ歓迎です。ご意見等ございましたら,コメント欄にお願いいたします。

 いやー。バイナリとジッターの関係を文章だけで分かりやすく説明するのは難しいですね。やはり画像を示しつつやるのがベストかな…。良い言い回しとかご推薦いただけると大変うれしいです。

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 さて,前回はバイナリという単語がでてきました。PCに限らずデータ通信の世界においても,バイナリという値は非常に重要であり基本でもある指標です。まずはwikipedia日本語版のバイナリを参照するところから始めましょう。

 データの同一性はバイナリの同一性を確保することにより達成され,バイナリが一致すればデータ的には同じファイルであるとして良いとされます。全てのデータ通信技術は,送信元と受信先で同一であるべきデータのバイナリが一致することを最低限達成すべき目標として開発されます。
 したがって,音楽データについても,バイナリが一致していなければデータ的に違う内容なのですから,違って聞こえても何ら不思議なことではなく,あとは各人のセンス(身体的な意味でも)の問題となります。

 しかし,音楽データについては,バイナリが一致したからといって聞こえる音が物理現象的に完全に同一であるという保証はありません。
 というのも,アナログドメインにある音楽をデジタルに変換するためのサンプリング定理自体が,一切の揺らぎのない正確な時間軸に基づいてA/D変換され,事後デジタル化された信号が一切の揺らぎのない正確な時間軸に基づいてD/A変換される,という前提にたっているためです。

 この点,文章データや静止画データなどは時間軸と関係なく伝達・認識できればよいわけですから,変換タイミングは問題となりません。
 これに対して,(繰り返しになりますが)音楽データは時間軸的に連続したデータの流れですから,変換のタイミングが規格上適切に行われなければ,正しい変換がなされたとはいえないわけです。

 なお,音声データといえども,メディアに記録された場合には,バイナリが同一なデータは音質的に全く同一であるとされることが一般で,少なくとも同一のメディアでバイナリが一致しているのであればデータ的には一切の違いがないとされます。
 これは,メディアに記録された後は単なるデータを順次読み出すに過ぎないため,データ読み出しの時間軸の正確性は問題とならないからです。

 結局のところ,デジタルの音楽データを我々が音として認識するには,D/A変換というプロセスを経なければならないことが問題の理解をややこしくしているといえます。

 このように,デジタルの音楽データは適切な時間軸の管理に基づいてD/A変換される必要があるわけですが,実際にはその基準となる時間軸の管理が難しいのではないか,という問題意識が,音楽CD成熟期に生じてきたといえます。これが,『ジッター』の問題として現在も取り組まれている課題です。

 以上のように,バイナリとは,データの内容そのものが正しく記録・伝達されているかどうかという問題であり,ジッターとは,データ内容を解釈する際に必要な基準となる時計が正しく刻まれているのかという問題である,ということになります。
 なお,前者は白黒はっきりつきやすく(バイナリチェックして同一であるか否かだけ),後者は白黒はっきりつけることが難しいとされます。この辺りの事情は次回。

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