金属の音

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 金属には固有の音があります。どうやら,どこに使っても割と同じような音がするようです。インシュレーターとして使用しても,ねじとして使用しても,です。というわけで,オーディオで使われる代表的な金属の音色について,私の印象を述べたいと思います。誤りが有ればご指摘いただければ幸いです。
 金属の素の状態の音を知っておくと,インシュレーターの構造からくる音なのか,素材の音なのかが聞き分けられるようになります。そうすると,自分の好みの構造や素材が把握できるので,インシュレーターをいちいち聞かなくても,ある程度(ここ重要)の方向性が判断つくようになります。

 なお,本エントリでいうところの非磁性は工業用語であることに注意してください。理化学的な分類では弱磁性体でも,工業的には非磁性体となります。

○銅
 レンジの広さはあまり主張してこないが,中域の密度感を中心として素直なバランスで広がる。当然非磁性。歪み感はない。
 銅自体はかなり柔らかい金属で,特にねじとして使うには強度不足。純銅の場合実質的には基盤固定用にしか使えないのが欠点。

○真鍮(黄銅)
 高域が瑞々しい(人によっては輝かしい)感じなので声高になる場合がある。低域は弱めで解像度があまり高くないこともあり,アタック感が少なめ。空間の開放感を狙う場合にはおすすめ。当然非磁性。歪み感はない。
 金属としてはやや強度が足りないので,ねじ止めの際にねじ山をつぶさないよう気をつける必要がある。

○ステンレス(SUS304系)
 オーステナイト系ステンレスは非磁性なので歪み感はないが,高域がやや詰まる印象。人によっては曇った音と表現する場合もある。高域のヌケを重視する場合にはお勧めできない(ただ,最初交換すると歪み感の無さに気を取られてヌケの悪さは気にならないはず)。
 もっとも,金属としては非常に強度が高く,かつ低コストなので,使い勝手は抜群。家電用のスイッチ固定など数多く使う必要がある場合に重宝する。

○鉄
 帯域バランスは結構普通。高域の切れ味,音像の実体感や押し出しを重視する人におすすめ。
 強度もあり,電磁波の遮断特性も良好。低コストで使い勝手がよい反面,磁性体系金属共通のピーキーな歪み(ひずみ)感が生じる可能性が高い。

○アルミ
 アルミにも色々あるので一概にアルミではくくれないが,総じて高域が軽くなる印象。空間の軽さを狙うのに向いているが,あまりに質量が軽い場合には,スカスカな音になってしまうので注意。
 金属としてはかなり柔らかい部類なので,ねじに使うのは危険。もっとも,その分加工性が高く,電磁波の輻射も少ないといわれており(ただし電磁波の遮断特性は鉄に劣る。),ケース等に用いられる事は多い。

○チタン
 ワイドレンジで歪み感がない。通常手に入る金属のうち,最もハイスピードな音がする。反面,中域が薄く感じられるので,厚みのある音を欲する人にには向かない。また,全体的にクールな描写になるので,熱気あふれる音を望む人にも向かない。低域のスピードが著しく変化するので,タイトになったように感じられる事が多い。

○βチタン
 チタンよりさらにハイスピードな音。詳細はまた後日。

金属の音」への3件のフィードバック

  1. briareos156

    深いですねぇ…。インシュレーターで素材の音が乗るのは経験的に理解できますが、コンセントのねじの素材を変えただけでも音が変わるというのですから…。ご説明ありがとうございました。(m_m)

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  2. えるえむ

    briareos156さん,コメントありがとうございます^^
    なかなか決定版という金属がないのが残念でもありおもしろくもあるところです。
    人によって大事にしたい部分は違いますので,自分のスタイルにマッチした金属が見つかると良いですね。

    返信
  3. えるえむ

    投稿者ご本人からのお申し出により,ご投稿を1件削除させていただきました。

    返信

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