クロックと音像定位

closeこの記事は 9 年 11 ヶ月 17 日前に投稿されたものです。最近の記事内容との齟齬がある場合,リンク切れが頻発している場合がありますが,ご了承下さい。

 クロックによる変化はいろいろですが,どのようなシステムでも共通して変化するとおもわれるのが,フォーカス感です。フォーカス感というのも比喩的な表現ですが,簡単にいえばカメラのレンズのフォーカスを合わせて,ピントがあった状態になるという意味合いでしょうか。敷衍してオーディオタームとして述べるとすれば,微動だにしない(揺らがない)定位,音像の移動の過程が明確になる,輪郭の緻密化,音像と音場の分離感の向上,といったところでしょうか。

 デジタルオーディオを再生するシステムの場合,フォーカス感の改善はクロックによるところが最も大きいと感じています。
 もちろんスピーカーのセッティングは重要なのですが,なんといいますか,定位感といっても厳密には電気的なアプローチと物理的なアプローチの二種類の構成要素から成り立っているように思われます。
 つまり,残響成分等,過渡特性的(厳密な意味でインパルスレスポンス上有意差が出てくるという意味ではありません)な意味合いで,混濁感が極少になることによる定位感の向上(相対的に悪化しない状態)と,デジタルデータの時間的正確性(大ざっぱに言えばジッターの少なさ)によるデータの質的な向上による定位感の向上(絶対的な改善)があるのではないか,ということです。

 言い回しがやや難しくなってしまいましたが,別の言い方をすれば,デジタルドメインでの時間的正確性の改善は,まさしく絶対的な改善,根本的な対応方法であって価値一元的な議論に結びつきやすい(換言すれば数値化しやすい)のに対して,Spのセッティング,ルームチューン等による改善は対症療法的,臨機応変的な対応方法となり価値一元的な議論に結びつきにくい(だからこそSpのセッティング手法も多様になる)のではないかとおもいます。

 拙宅の現状を考えますと,DACはクロック入力が無いわけでして,トラポのみSlave動作という変則的なシステムとなっております。これは,これまでデジタルオーディオで一般的に理解されてきた見解によれば,あまり意味がない事をしているはずなのですが,どうにも聴感上は明確なアドバンテージを感じるわけです。
 「一般的な」クロックについての理解とずれてきているわけですが,拙宅においてはここでプラセボというにはちょっとあんまりな違いがあったりするので,何か違う理由を見つけてこないといけないですね…。こんな変化は音が良くなろうが喜ぶべきじゃありません。これから先のことが思いやられて,嫌々です(涙)。

クロックと音像定位」への2件のフィードバック

  1. Macindows

    dCS, Prism, EMM Labs,MytekはDACマスター、トラポSlaveが最善の接続方法と主張してます。またDan LavryもDACのクロックが最良の精度で、(マスタークロック同期はAD変換時の必要悪だが)DA変換時には必要ないと言っています。どんなに高精度なマスタークロックでも、ケーブルで引き回せば外乱でジッターが入り込むとの意見です。もっともジッターが少なければ必ず良く聞こえるか、という点は自明ではないですが、知っている範囲では、DACマスター&トラポSlaveの接続方法が、ジッター低減の「一般的な」方法であると思います。

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  2. えるえむ

    Macindowsさん,コメントありがとうございます^^
    おっしゃるように,最近懇意にさせていただいているクロック関係の方も,DAC内のクロックの精度が上がることがもっとも効率よくかつ効果的であろうとおっしゃっていました。
    まぁ,問題はその手段がないことで,結局高精度かつ低ジッターなクロックをいれるには外部クロックに頼るほかないのかなといったところです…。

    これまたおっしゃるように,如何に高精度な外部クロックでもケーブルを引き回せばジッターは入り込むでしょうから,総合的な考察が必要でしょうし,さらに問題な「ジッターが少なければ必ず良く聞こえるか」という問題もあるわけですから,益々混沌としてきますね。

    Macindowsさんが含みを持たせつつ「一般的」とおっしゃるのは,このあたりのことが念頭にお有りだからだとおもいます。

    さて,そこで,現在なぜか手元にあるGPSレシーバーの話につなげたいと考えております…w

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