絶縁トランスを効率的に使う

closeこの記事は 8 年 20 日前に投稿されたものです。最近の記事内容との齟齬がある場合,リンク切れが頻発している場合がありますが,ご了承下さい。

 最近私の周りのオーディオ仲間の方々がアイソレーショントランス(絶縁トランス)にはまってらっしゃるようです。私も以前からアイソレーショントランスを使っておりますので,その効能は十分分かっているつもりですが,技術者の視点からすると,アイソレーショントランスにも“理論的に正しい”使い方があるようだということがわかります。

http://homepage3.nifty.com/kanaimaru/PS3/a8.htm
http://homepage3.nifty.com/kanaimaru/PS3/a16.htm
http://homepage3.nifty.com/kanaimaru/PS3/0f.htm

 上掲のURLはSONYのAV部門の技術職の偉い方が書かれているページですが,絶縁トランスの使い方についても言及されています。要約すると,
(0)絶縁トランスで音質が向上するケースは,絶縁トランスの静電的結合 (コモンモード結合) が小さいことによりグラウンドループが切断される効果が発揮されたためである。
(1)最初から絶縁トランスを内蔵しているタイプのオーディオ機器には絶縁トランスをつける必要がないことが多い
(2)スイッチング電源機器はAC回路との静電結合容量がおよそ一桁大きくなるのが普通で,これがグラウンドループを作ることから,絶縁トランスで結合を小さくする効果が望める。
(3)容量が大きすぎる絶縁トランスは結合が大きくなってしまいアイソレーション効果が落ちる。
となります。簡単にいうと,スイッチング電源の機器から絶縁せよ!ということになります。
 なお,ここでの絶縁トランスの効能というのはステップアップ/ステップダウンを抜きに1次と2次が1:1のトランスでの話になっていますので,ご注意を。

※ 赤字の部分はかないまるさんに原文を査読いただいて私のほうで修正を加えた箇所です。

 となると,拙宅の場合,トランスを入れるべきオーディオ機器としては,手始めにeAR1001ということになり,残りの機器にアイソレーショントランスを導入することはそうあわてなくとも良いということになります。ただし,拙宅は200V→100Vにステップダウンさせている関係でトランスはどうしても必要ですが…。

 というわけで,スイッチング電源を使う機器として最たる例であるところのPCは早速トランスでアイソレーションしてみましょうかね。

絶縁トランスを効率的に使う」への13件のフィードバック

  1. 大天使心得

    「スイッチング電源の機器だけ絶縁せよ!」というのはかないまるさんの記事の要約だとしたら、あまりにもショートカットです。アナログ電源の機器でも当然効果はあります。

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  2. えるえむ

    大天使心得さん,コメントありがとうございます^^

    かないまるさんの記事本文中には

    >PS3に絶縁トランスが役に立つという話の裏返しとして、単品オーディオコンポーネントは、絶縁トランスは通常は要らないということになります。実際入れない方がいいのが普通です。

    >単品オーディオ機器は電源トランスを搭載していることが多いと書きましたが、オーディオ機器でないものは、逆にスイッチング電源搭載機器は非常に多いのが現実です。たとえばテレビやモニターはスイッチング電源機器が主流です。プロジェクターもそうです。つまりテレビモニターやプロジェクターも絶縁トランスで音質が向上する機器と言えます。

    >またPCもそうです。HTPCといって、PCで映画を鑑賞するという分野がありますが、画質はともかく音質はやはりPCという枠組みを出ないことが多いものです。これは、PCの電源が100%スイッチング電源だからです。

    と書いてあるので,エントリ本文中の要約は誤りでないと理解しています。

    リニア電源の機器に絶縁トランスを追加して変化があるのは私自身は想像がつきますし,そうした変化も含めて効果と呼ぶなら効果はあるでしょう。ただし,リニア電源内蔵のオーディオ機器のグラウンドループを絶つという筋で絶縁トランスの効能を謳うのは難しい,ということだとおもいます。

    例えば,かないまるさんも静電結合の小ささばかり着目して低容量のトランスを使ってしまうと,低音感が損なわれると指摘しており,どうして容量が大きい方が低音感を感じられるのかは別の理由を考えるべきかと思います。

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  3. えるえむ

    絶縁トランスユーザーさん,コメントありがとうございます^^
    確かに絶縁トランスにはそれぞれ固有の音があって,皆さん好みで取捨選択されているようです。
    ご紹介いただいたBLOGGERの方は技術的な裏付けがあって中間の機器のみアイソレーションした方がいいとおっしゃっているわけではなさそうですが,その方の経験上のアドバイスとしては興味深い考えだと思います。

    アイソレーショントランスの使い方については,本当に様々な流儀がありますので,これが正解というのは一概に言えません。
    皆さん聴感上そちらのほうが好ましいという理由で薦めてらっしゃいますので判断が難しいわけですが,ベーシックな議論を知っていて外すのと最初から独自の世界に突入するのでは状況が異なると思いまして,今回ご紹介した次第です。

    私の方でもかないまる式絶縁トランス使用法に基づいて実験してみますので,絶縁トランスユーザーさんもプリにお使いになった結果等ご報告いただけると幸いです。

    返信
  4. 大天使心得

    >PS3に絶縁トランスが役に立つという話の裏返しとして、単品オーディオコンポーネントは、絶縁トランスは通常は要らないということになります。実際入れない方がいいのが普通です。

    という文章の後には「実は単品コンポーネントの多くは、通常は「電源トランス」を積んでいます。この電源トランスの存在がキーなのです。」と続いて、リニア電源とスイッチング電源の説明があります。
    勿論かないまるさんの文章は実験レポートらしく全体として整合性がとれていないところもあり、また絶縁トランスがアイソレーショントランスの全てではありませんので、あまりこれに基づいて細部で議論したくはないのですが、「スイッチング電源には絶縁トランスが役に立つ」というのと「スイッチング電源の機器だけ絶縁せよ!」というのは同じ意味ではないと思うのですが。

    それと

    >リニア電源内蔵のオーディオ機器のグラウンドループを絶つという筋で絶縁トランスの効能を謳うのは難しい,ということだとおもいます。

    というのはかないまるさんの文章だけからの立論ですね。わかりやすいところで下記のような説明もあります。
    http://www.cse.ne.jp/report.htm
    「リニア電源内蔵のオーディオ機器のグラウンドループを絶つという筋で絶縁トランスの効能を謳う」のは十分可能だと思います。

    いやはや適切な要約の仕方、インテリジェンスの把握の仕方は難しいモノです。

    返信
  5. えるえむ

    >大天使心得さん
    私の場合書いてある文言をそのまま受け取ったので,「オーディオコンポーネントは、絶縁トランスは通常は要らないということになります。実際入れない方がいいのが普通です。」とあるので,電源品質的に中等未満の環境もしくは特殊なトランスでなければ良くはならないと読みました。
    もちろん,スイッチング電源であるPS3と対比する形で,ここでいうところのオーディオコンポーネントとはリニア電源内蔵のものを意味するわけです。

    本エントリはあくまでかないまるさんのご見解を紹介する形で(トランス製造業を生業としていない)技術者の視点だとトランスによる“絶縁”には指針を見いだすことができる,ということをご紹介したものですから,トランス製造メーカーは違う言い分があると思います。
    また,なんでもかんでも「アイソレーショントランス」という名で売ってしまうことにも問題があるでしょう。
    が,ここではこういった話題は本題からずれてしまいますから,それ以上の議論はご容赦ください。

    かないまるさんのサイトにはオーディオライフを豊かにするにあたってのヒントが数多く含まれているとおもいますから,未読の方がこれを機に読まれるのであれば,私としては書いた甲斐があったというものです。

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  6. えるえむ

    補足しておきますが,本エントリはアイソレーショントランスの絶縁性のみに着目したトランス使用の薦めに対して疑問を呈する内容です。

    したがって,やはり絶縁性に優れたトランスであれば重ねて使用すると静電結合を小さくすることができる,といったメリットがあるのならリニア電源のオーディオ機器に絶縁トランスを使用することで効果が得られると言えると思います。

    ただ,絶縁トランスが持つその他の効能(ノイズカット性能等)から,絶縁トランスを重ねて使用することのメリットを見いだす見解もあろうかとおもいます(現段階では私はどちらかといえばこちらの見解です)。
    こちらについては,資料を収集して勉強した後に,別途エントリを書く予定ですので,少々時間的猶予を頂ければと思います。
    つきましては,大天使心得さんのご見解もむしろ他の効能に利点を見いだされているのではないかと思いますので,絶縁性についてのエントリで絶縁性以外を議論するのはややもったいないと考えております。今しばらくお待ちくださいませ。

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  7. 大天使心得

    本文(1)の「最初から絶縁トランスを内蔵しているタイプのオーディオ機器には絶縁トランスをつける必要がない」というえるえむさんの要約などは電源トランスと絶縁・アイソレーショントランスの意味・機能の混同が見られますね。そもそも原著者の説の紹介であればいたずらにパラフレーズせずに正確に「引用」すべきです。批判したいなら尚更慎重にすべきことでしょう。しかしリサーチされた上での続編があるそうなので、それに期待してこの件は以後コメント不要ということでこれで終えましょう。今後に期待いたしております。

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  8. えるえむ

    >大天使心得さん
    機器内部に使っている電源トランスとアイソレーショントランスですが,作り方としては一緒だと思っていましたが,違うんですね。よろしければ資料などご呈示いただけると大変嬉しいです。
    http://www.kitagawa-denki.co.jp/trans/beginner.html

    引用にはルールがありますし(例えば50%ルールなど),長文の記事を大量に引用することはできません…。短くすることで始めて読む気になる方もいらっしゃるでしょうし(苦笑)。
    絶縁トランスはループを作らないということだけに焦点を当ててループさえ切ってしまえばいいのだ,といった乱暴な話はおかしいのではないかとおもい,本エントリを投稿した次第です。
    大天使心得さんのように,機能をあらかた理解して絶縁する必要があると判断されているなら,何も問題はないと思います。

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  9. 大天使心得

    >引用にはルールがありますし(例えば50%ルールなど),長文の記事を大量に引用することはできません…。短くすることで始めて読む気になる方もいらっしゃるでしょうし(苦笑)。

    そんなルールは初耳ですね。いや長生きはするもんです。(笑)
    でも長ければ読まないだろうというのは、どうせその程度だろう、といういささか傲慢な感を与えて、読者にとっては馬鹿にされたように感じるのではないかと思いますね。ちゃんと自分の中でかみ砕いて整理すれば理解してもらえるものだと思いますが。
    中途半端にローンチした企画の文章がバラバラに残る方がよほど誤解を招いて問題だと思うので、長文でも良いから整理したものが読みたいですね。ふう。

    返信
  10. えるえむ

    >大天使心得さん

    著作権法上の公正な引用に該当するかどうかは最高裁判例があります。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%95%E7%94%A8
    著作権法の世界で通称「50%ルール」などと呼ばれているものは引用先との主従関係の判断基準として用いられます。あまりこういった堅苦しい話はしたくないのですが…。
    拙サイトにも引用条件は明記してあります。ご参考まで。
    http://www.spatiality.jp/modules/about/index.php?content_id=2

    読まないだろうと私が勝手に思いこんでいるのではなくて,読者の方から文字量が多すぎる回は読む気がしないとご要望を頂くことがあったからです。
    たまに画像入りのエントリを入れるのは堅苦しい雰囲気を和らげるためでもあります。

    また,内容が難しすぎるといったご意見も希に頂戴します。
    この点はかみ砕いて説明すればよいわけですが,上述の通り長すぎることに対するご要望も頂いておりますので,バランスの取り方は模索中です。
    全ての読者の方に満足いただくのは技量的に到底できませんが,わざわざご意見をくださる方のご要望はできるかぎり配慮する,という感じです。

    ともあれ,言い回しが傲慢に思われたのであれば謝罪いたしますし,読者の方を馬鹿にすることは決してありませんので,その点は誤解無くお願いいたします。今後も皆さんに楽しく読んでいただくBLOGを目指して参る所存です。

    返信
  11. A(T

    技術的考察は次の機会にするとして、かないまるページの読解について意見を投稿します。

    > 本エントリはアイソレーショントランスの絶縁性のみに着目したトランス使用の薦めに対して疑問を呈する内容です。
    > 絶縁トランスはループを作らないということだけに焦点を当ててループさえ切ってしまえばいいのだ,といった乱暴な話はおかしいのではないかとおもい,本エントリを投稿した次第です。

    かないまるページの絶縁トランス関連文で、ACライン経由での機器間結合による弊害及びそれの軽減方法は掲載されていますが、その他の要因・効能・弊害を否定している箇所はありませんでした。

    > 「スイッチング電源には絶縁トランスが役に立つ」というのと「スイッチング電源の機器だけ絶縁せよ!」というのは同じ意味ではないと思うのですが。

    現状のかないまるページを読む限りは、スイッチング電源機器のみの絶縁トランス挿入を推奨しているとしか判断できませんでした。
    また、確実には本人のみぞ知る事ですが、仮に未掲載の考慮するべき項目があったとしても、解決手段・使用方法として掲載されている内容は、全てを考慮した上でのものと考えられますので、やはり推奨しているのはスイッチング電源機器のみへの挿入だと思います。

    返信
  12. えるえむ

    A(Tさん,コメントありがとうございます^^

    ▼前段について
    >かないまるページの絶縁トランス関連文で、ACライン経由での機器間結合による弊害及びそれの軽減方法は掲載されていますが、その他の要因・効能・弊害を否定している箇所はありませんでした。

    引用された私の文章ちょっとわかりにくかったかもしれません。
    私の問題意識としては,リニア電源タイプのオーディオ機器にも絶縁トランスと全く同じ構造のトランスが入っているにもかかわらず,そのことを捨象して絶縁されるからいいのだ,とする論法は乱暴すぎるのではないか,ということです。
    リニア電源のトランスでは絶縁が不十分であるという根拠を示したうえでの主張でしたら大変説得的なのですが…。

    もちろん,シールドタイプの絶縁トランスにはノイズカット効果もあるわけで,そちらはまた別個の論点と考えています。こちらの効能を説くのであれば,「シールドタイプの絶縁トランスにはノイズカット効果があるから全ての機器をアイソレーションすべきである」と主張するほうが説得的です。

    ▼後段について
    かないまるさんのほうで,Q&Aコーナーにて回答していただけることになりそうです(時期は未定)。
    かないまるさんからいただいたご返信は非開示の要請をいただいていますので,かないまるさんのサイトのQ&Aコーナーへの掲載をお待ちいただければと思います。
    掲載後は確認次第こちらでも紹介させていただきますので,よろしくお願い申し上げます。

    返信

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