実は難しい(?)イヤフォン設計 その4

closeこの記事は 7 年 7 ヶ月前に投稿されたものです。最近の記事内容との齟齬がある場合,リンク切れが頻発している場合がありますが,ご了承下さい。

 今度はイヤフォンにおける低域の再現性について検討してみることにしましょう。

▼イヤフォンに60Hzは無理?
http://www.mnsp.co.jp/repo03-HDDPlayer.htm

 また,森本浪花音響計画さんのサイトを拝見するに,60Hz以下の信号は多くのイヤフォンで信号が減衰してしまっているのがわかります(マイクの特性が云々という話があるのは承知の上で)。

 最近は音楽信号のF特を見ているわけですが,60Hzといえばキックドラム(バスドラム)の帯域ですね。ここを削るとイヤフォンでモニターする分にはおそらくタムの音が目立ち始めてスピード感のあるリズム隊に聞こえるように思われますが,ハイエンドオーディオでここを削ってしまうと帯域バランスが上よりになってしまって軽薄な印象を受ける演奏になりそうです。
 多くのイヤフォンが60Hzの再生を十分にサポートしていないということは,イヤフォンでのポータブル環境で音楽を聴いている層をターゲットにした音作りであれば,125Hz近辺にピークのあるタムを強調したほうが合目的的ということになりそうですね。

 この点,ヘッドフォンですと60Hzもある程度再生可能なものがあるようですので,ヘッドフォンメインの方とイヤフォンメインの方では低音感自体が異なる可能性が高いかもしれません。

 ここでいう「低音感」とは,あなたのいう「低音」ってどのあたりの周波数の音?という話です。まぁ,一般的には,周波数をドンぴしゃで答えられる方はそう多くないので,音を聞いていただいて判断することになるでしょうか…。

■ このように,とにもかくにも周波数特性はかなり暴れ気味ということであれば,高域と低域の再現性に注目しつつ,実際に聴いてみる以外に方法がなさそうです。よりワイドレンジなものを求めるならイヤフォンではなくヘッドフォンにして,さらにヘッドフォンアンプを使うということになりそうですね。まさに正当派進化形といいますか,泥沼といいますか(爆)。

実は難しい(?)イヤフォン設計 その4」への5件のフィードバック

  1. Tux

    ついでに突っ込ませて戴きますが・・・。

    楽器の音は個々に異なるので(例え電子音でも)、何ヘルツがどうこう
    等と決めつけるのは全く意味が有りません。

    以下を元とされてる様ですが、ちゃんと断り書きがされてます。
    http://plaza.harmonix.ne.jp/~toshiono/pa/drums_freq.html
    ”ただし、このデータはあくまでも、Roland の SC-88Pro に入っている、
    STANDARD 1 のドラムセットの周波数特性に過ぎません。
    当たり前の話ですが、生楽器の場合、メーカー、サイズ、チューニング、
    演奏者、等々で音が違って来ます。
    さらに、マイクで収音する場合には、マイクの特性によっても音が変わ
    ってくるので、固定概念を持たないようにして下さい。”

    基音と次にゲインがでかい倍音のみPlotしてあるのでしょうけど、楽器の
    音は基音と一つの倍音だけで成り立ってるのでは有りません。
    (ご自身で様々な楽器の音をFFT測定されればと思いますが)

    個々の楽器の音域/周波数という事なら、以下の様な事ですが:
    http://www.psbspeakers.com/audio-topics/The-Frequencies-of-Music

    これも単なる測定例でしか有りません・・・先のコメントの通りです。
    http://www.mnsp.co.jp/repo03-HDDPlayer.htm

    後静的測定には意味が有りません・・・発振器の音では無く、音楽は動的
    に変化する物なので。
    (通常の周波数測定は、静的な有る瞬間を測定しているにしか過ぎません)

    意味が有るのは、周波数成分・ゲインに時間軸が合わさった物(Spectrogram)。
    http://www.spectraplus.com/screenshot_3d.htm
    http://www.google.co.jp/search?&q=Spectrogram+analyze+audio
    (例えばドラムのスネアが叩かれた時に出る音は、スティックで叩かれ
    た瞬間?時間軸と共に含まれる音の成分も個々のエネルギーも変化しま
    すが、時間軸で測定しないと、そういう変化は反映されません)

    楽器のピーク成分のみを取り出すという事は、Dr/pf他叩いた/打鍵した
    瞬間の、音の一番大きな/アタックとしての周波数成分でしか有りません。

    時間軸で音が変化するとは:
    http://hyperphysics.phy-astr.gsu.edu/Hbase/sound/timbre.html#c2

     なかなか面白い樹形図です:
     http://hyperphysics.phy-astr.gsu.edu/HBASE/hframe.html

    他には音響インテンシティ等も。
    (今後建築音響や騒音制御他各種使われると思います)
    http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/software/ds/ds0225.htm
    http://www.microflown.com/data/ICSV11_2004-IJAV2004.pdf

    先日公開されてたFFT測定も、どういう測定内容なのか不明ですが、
    個々の周波数成分のゲインの大小をプロットして、何の意味が有るのか
    理解出来ません。
    (有る周波数成分のゲイン幅が大きい<>小さいという事と、圧縮されて
    るかどうかは全く別の問題なので)

    返信
  2. えるえむ

    >Tuxさん

    >楽器の音は個々に異なるので(例え電子音でも)、何ヘルツがどうこう
    >等と決めつけるのは全く意味が有りません。

    おっしゃるとおりだとおもいます。
    私としても決めつけているつもりはございません。


    >以下を元とされてる様ですが、ちゃんと断り書きがされてます。
    >http://plaza.harmonix.ne.jp/~toshiono/pa/drums_freq.html

    そうですね。
    過去ログをご覧いただければわかりますが,私の方でも上掲のサイトをご紹介済みです。
    ご関心の強い方でしたらリンク先を参照されていることと思います。


    >基音と次にゲインがでかい倍音のみPlotしてあるのでしょうけど、楽器の
    >音は基音と一つの倍音だけで成り立ってるのでは有りません。

    おっしゃるとおりですね。
    私も60Hz近辺はキックドラムのピークとなっていそうだということを申し上げています。


    >後静的測定には意味が有りません・・・発振器の音では無く、音楽は動的
    >に変化する物なので。

    意味をどこに求めるかどうかはさておき,音楽は動的に変化しますから,時間軸が捨象されている周波数特性に何の意味があるのかという指摘はごもっともだと思います。
    ただ,現実に存在する音を高忠実度をもって記録し高忠実度をもって再生するならば周波数特性はフラットであることに越したことはないというのは一つの見識ではないかと思います。
    最近ですと,Waterfallグラフでスピーカーの性能を評価するという潮流もありますね。イヤフォンのほうではそういった話はあまり聞きませんが…。


    音響インテンシティというのは初めて目にしました。
    なるほど,こういったものもあるのですね。勉強になります。


    >先日公開されてたFFT測定も、どういう測定内容なのか不明ですが、
    >個々の周波数成分のゲインの大小をプロットして、何の意味が有るのか
    >理解出来ません。

    CD-DAからWAVに変換した楽曲のデータの先頭から末尾までを,Digital Audio Workstationソフトで測定したものです。
    音質的に好ましい楽曲をたまたまスペアナにかけてみたら,なんだか60Hz付近にピークのある楽曲が多いということを発見しまして,おもしろがって書いた記事ですので,波形から音質が一目瞭然に判断できるとか,周波数特性からコンプレッションの程度が一目瞭然に判断できるという趣旨ではございません(その点は既に過去のエントリにて申し上げています)。
    ただ,コンプレッサーは基本的に音圧のピークをつぶす仕組みですから,強くかければf特上のピークの山も小さくなるのが通常ではないかと思います。


    総じてこうした(簡易的な?)測定には意味がないとお考えのようですが,私としては,否定するだけではやりようが無くなってしまいますし,聴感と測定は両方うまく使いこなしていくとオーディオライフが充実して幸せになれそうですから,あれこれ試してみたい,妄想してみたいという姿勢でおります。
    こんな方法がおすすめ!といった具合に,スピーカーの測定なりイヤフォン/ヘッドフォンの測定なりで,より効果的・効率的・実際的で信用にたるような測定手法や,ルールというものはあるのでしょうか?

    Tuxさんは海外のサイトにも目を向けて幅広い見識をお持ちのようにお見受けしましたので,Tuxさんの前向きなご意見も是非お伺いしたいです^^

    返信
  3. Tux

    >私としても決めつけているつもりはございません。

    実際音響技術者も、楽器と周波数の関係性で各種(1/3Eqで有るとかの)調整を行い
    ますが、でもあくまでも目安であり、結局個々の経験に根ざした感覚なのです。

    ニュアンスとしては:
    http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1112238371
    ”周波数があって音があるのではなく、音があって周波数があるのです。”

    ・・・感覚的な事を言葉/文字に置き換えるのは難しいです。

    >過去ログをご覧いただければわかりますが,私の方でも上掲のサイトをご紹介済みです

    先の内容を元としてドラムの音が60Hz・・・的な判断基準として使われてた様なので、
    ご指摘しました。

    >私も60Hz近辺はキックドラムのピークとなっていそうだ

    実際音楽のジャンルやドラマーの演奏スタイルなどにて、”この辺り”という物は
    有っても個々に異なります。
    (皮の張り方・Muteの仕方・使用するMic・Micのセッティングの仕方他各種にて)

    ・・・サンプリング音や電子音にしても、ピッチなど自由に変更できますので。

    >意味をどこに求めるかどうかはさておき

    一つの目安として使う分には(測定条件が同じでは無い物の比較は無意味でも)、
    静的な測定も役には立ちます。

    ただ、ご理解されてる通り、

    >音楽は動的に変化しますから,時間軸が捨象されている周波数特性に何の意味があるのか

    という事を理解しないで、Specや図表などを絶対視するのも、先の通りメーカーに
    載せられてるだけの事です。
    (営利企業が、わざわざ売れ行きを落とす様な情報を公開する事は・・・)

    >現実に存在する音を高忠実度をもって記録し高忠実度をもって再生する

    Recording環境で有れば、例えばGenelec等は測定器的な役目で使われます。
    (今日Rey Audioの様なラージを爆音で鳴らす・・・時代でも無い様です)

    測定器という意味は基準という事であり、(様々なエンジニアが)それを基準とし
    て音の調整を行うとか、又はアラ探しの為には、なるべく色づけ等が生じない物が
    理想なので。

    >周波数特性はフラットであることに越したことはない

    先(他のコメント)の通りです。

    付け加えると、例えSpeakerがフラットでも、建築音響的な面(一般家庭なら壁面他
    での反射・吸収など)で大きく影響を受ける事に成り、イアフォン/ヘッドフォンな
    ら個々の耳による影響を受ける事に成ります(勿論各種音響機器による影響も)。

    ・・・Speaker等の特性がフラットかどうかよりも、最終的にどういう音を聞いてい
    るのか?・・・です。

    >Waterfallグラフでスピーカーの性能を評価する

    最近?はWaterfallと呼ぶのですね。
    http://chrpt.com/home/ads-scope.htm

    因みに私が初めて3D-FFTと接したのは、’85?頃です:
    http://www.ghservices.com/gregh/fairligh/fairligh.gif
    http://www.ghservices.com/gregh/fairligh/
    (Page D Voice Waveform Display )

    ・・・実際二次元のFFT測定図などの比較は未だ容易ですが、三次元に成るとどこを
    比較して良いのかは、そういう事を仕事にしている私でも大いに悩みます。
    (測定内容から音をイメージする事が、かなり困難なので>慣れの問題なのですが)

    >音響インテンシティというのは初めて目にしました。

    音の可視化がもっと発展すると、より各種調整や音の制御もやりやすくなります。
    (何時も音が見えればなぁ・・・等と思ってます・笑)
    http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/application/beamforming.htm
    http://www.asp.c.dendai.ac.jp/thesis/onko_0809_takazawa.pdf
    http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2002/common/com218.html

    >CD-DAからWAVに変換した楽曲のデータの先頭から末尾までを

    ”楽曲に含まれてる音”・・・という事ですね。

    >なんだか60Hz付近にピークのある楽曲が多いということを発見しまして

    ジャンルにもよりますが、まあ音/曲の土台の部分ですからね・・・。
    (感覚的な事としては、低域が足下で中域がお腹の辺りで、高域が上半身等
    >Recording技法?で有るとかに、そういう事が記されてるかもですが、音響技術者は
    そういう例えを行う事が多いのでは無いかと思います)

    >ただ,コンプレッサーは基本的に音圧のピークをつぶす仕組みですから,強くかければf
    >特上のピークの山も小さくなるのが通常ではないかと思います。

    私はそういうEffector類も使う立場ですが・・・。

    デジタルデータに対して”ノーマライズ”を行うのなら、実際抑揚は無くなります。
    (それは、やりすぎるとサウンド・データの抑揚を無くす処理なので
    >因みにそういうDSP処理は、既に’88頃から有ります・・・ProToolsの前身の
    SoundTools辺りには既に搭載されてた機能なので)
    http://en.wikipedia.org/wiki/Pro_Tools

    実際昨今のマスタリングは、Finalizer他各種マルチバンドでのノーマライズ的な処
    理がかなり行われてる様です。

     所謂Loudness Warは世界的な悪しき傾向として:
     http://www.google.co.jp/search?q=loudness+war

    ですが、静的な測定とかプロットした波形からでは、そういうダイナミクスの操作
    が行われてるのかどうかは解りません(ノーマライズ的な処理なら反映されますが)。

    ・・・コンプ/リミッターがどう音に作用するのかを実際の音として経験してないと、
    言葉にするのは難しいですが。
    (ハードによる物と、シミュレートしたソフトDSP処理では、似てるけど異なる事も)
    http://www.ssaj.gr.jp/old-paj/1992/Comp92.html

    >総じてこうした(簡易的な?)測定には意味がないとお考えのようですが

    ・・・”意味がない”とは、絶対的な物などでは無いという事です。

    各種音響調整を行う側としては、先の通り参考程度にしか成りません。
    (結局自分の経験に根ざした感覚が基準に成るのです
    >それは多くの方々を不快に感じさせないとか、心地よいと思って貰える音として)

    参考にするとは、大雑把な音の傾向であるとか、又は音圧管理を要する場合にはそ
    の為に使うとか(私が関わるのは、例えば100??1000?の空間での平均音圧100Hz
    以下で120dB・100Hz以上で100dBの世界なので、ちゃんと管理しないと難聴を生じ
    させたりする様な危険域の音を扱います)、疲れて音が解らなくなる様な状況で感
    覚をリセットする様な使い方です。

    >聴感と測定は両方うまく使いこなしていくと

    測定を絶対視しないで、自分の感覚とすりあわせて旨く利用できるのなら、相対的
    に各種測定結果が現実的にはどういう音なのかも、イメージ出来る様に成るかも知
    れません。
    (音に関する仕事を行う以上は、イメージ出来るからこそ仕事にも出来ます
     >それは自分の理想とする音の傾向に基づいて、様々なシステムをその音に近づ
     けていく様な事として)

    >より効果的・効率的・実際的で信用にたるような測定手法や,ルールというもの

    ノウハウ部分は記せません(私はかなり特殊な事を行うので)。

    一般的には、やはりPinkNoise+FFT Analyzerです(建築音響ではより複雑です)。

    参考にするのなら、例えば:
    http://www.jvc-victor.co.jp/pro/sound/sokutei/index.html
    http://www.ari-web.com/sound/measurement/index.htm
    http://www.ymec.com/
    http://www.coronasha.co.jp/np/detail.do?goods_id=2301 (内容は存じません)

    返信
  4. えるえむ

    >Tuxさん
    >・・・感覚的な事を言葉/文字に置き換えるのは難しいです。

    そうですね。でも個人的にはそれがおもしろかったりもします。

    >実際音楽のジャンルやドラマーの演奏スタイルなどにて、”この辺り”という物は
    >有っても個々に異なります。

    そうなんでしょうね。実際60Hzだ!と決めうちはできないように思います。HiFi方面から優秀録音とされるものには,おおよそ58Hz?63Hzくらいの間に山の頂上がくるような音作りが多いように思いますが,じゃあここの音圧を上げておけばよいかというと,そうではないと思います。

    >最近?はWaterfallと呼ぶのですね。

    日本語ですと累積スペクトラムと呼ぶことが多いかもしれません。こういった呼称はスピーカー測定ソフトウェア等で使われる名称がそのまま定着するケースが多いのではないでしょうか。

    >・・・Speaker等の特性がフラットかどうかよりも、最終的にどういう音を聞いてい
    >るのか?・・・です。

    この点は難しいですよね。どこを基準にすべきかという部分がとても混沌としているように思えます。

    >静的な測定とかプロットした波形からでは、そういうダイナミクスの操作
    >が行われてるのかどうかは解りません(ノーマライズ的な処理なら反映されますが)。

    なるほど。ということは,コンプレッションというよりはマキシマイズやノーマライズの影響が強く表れると理解した方がよいでしょうか。
    DTMに親しむことも少ないコンシューマの世界では,ミキシングやマスタリングがいったいどのように行われているのかほとんど認知されていないように思います。もう少し交流があってもよいように思いますが,エンジニアさん方のなかにはオーディオマニアを嫌う方もいらっしゃるようですからなかなか難しいかも知れません。

    >各種音響調整を行う側としては、先の通り参考程度にしか成りません。
    >(結局自分の経験に根ざした感覚が基準に成るのです
    >>それは多くの方々を不快に感じさせないとか、心地よいと思って貰える音として)

    このご指摘も興味深いですね。いわゆる“音作りのセンス”の問題でしょうか。

    >ノウハウ部分は記せません(私はかなり特殊な事を行うので)。

    当初プロの方だとは思わず,色々とお伺いしてしまい申し訳ありませんでした。
    また,Tuxさんにとってはノウハウの開示にならない限りのお答えなのかもしれませんが,私にとっては大変示唆に富むコメントでした。ありがとうございます^^

    返信
  5. Tux

    >>そうですね。でも個人的にはそれがおもしろかったりもします。

    個々が感じる音や、又それを表現する言葉は個々に異なるので、そもそも音など感
    覚的な物を言葉に置き換える事にはかなり無理が有ります。
    (匂いで想起する思い出的な事と含め、より本能的な領域なので)

    ・・・音に関わる仕事をしてる者同士なら、感覚的な表現でもかなり伝わりますが。
    (相手が表現する事が何なのかも、自分の経験として共有出来ているので)

    >そうなんでしょうね。実際60Hzだ!と決めうちはできないように思います。HiFi方面から優秀録音とされるものには,おおよそ58Hz?63Hzくらいの間に山の頂上がくるような音作りが多いように思いますが,じゃあここの音圧を上げておけばよいかというと,そうではないと思います。

    音の成分とは先の通りであり、確かに中心周波数(一番エネルギーが大きい基音成
    分)としてはその辺りだとしても、時間軸に応じた倍音成分でかなり変化するので、
    この楽器は何Hz・・・という捉え方は正しくは有りません。
    (現実的に、例えばドラムの音を音響的にチューニングする場合、基音成分と複数
    の倍音成分を調整します>どう調整するのかは、エンジニアの好みとしか言えない
    かも)

     先の”周波数が有って音が有るのでは無く、音が有って周波数が有る”・・・
     という考え方は、凄く正しい事です(実はプロでも解ってない方が少なくないの
     かも・苦笑)。

    音/曲の構成などは膨大過ぎるので記せませんが、安定した音の要素としては、低域
    から高域のピラミッド構成が有ります。
    (どういう事なのかは、Recording/作曲技法でも学ばないと理解出来ないかも知れ
    ません)

     こういう感じなど(正しい回答かどうか読んでません):
     http://answers.yahoo.com/question/index?qid=20080423105937AAH9rd9

    何故そういう音の成分が安定して聞こえる/心地よいのか等は、最早茂木さんの言う
    ”クオリア”の世界に成ります(心地よい音とは何なのか?・・・も含め)。
    http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/

    聴覚だけでなく触覚(を刺激する振動成分)による刺激も総合して人は音を聞いて
    いる訳であり、感覚生理上より触覚を刺激する成分で有る程に、強い刺激と成ります。
    http://en.wikipedia.org/wiki/Pacinian_corpuscle
    http://www.google.co.jp/search?&q=Pacinian%5Fcorpuscle%E3%80%80frequency
    http://en.wikipedia.org/wiki/Meissner%27s_corpuscle
    http://www.google.co.jp/search?&q=Meissner+corpuscle+frequency
    (聴覚の周波数が20Hz?20kHz的な常識は、人が音を聞く/音の刺激を受ける状況を
    正しく反映した物では有りません)

    学術論文が有るかどうか存じませんが、こういう研究分野です:
    http://www.google.co.jp/search?&q=Auditory%2BTactile%2BInteraction&lr=

    音/音響システムに関わる方々は(特に低域を重視する音楽など)、経験則としてそ
    れを知ってるのです(結果、50?80Hz辺りにPeakが有ります)。

    *HeadPhonesなら未だ耳介/顔を経由して振動成分による刺激も受けますが、イア
     フォンの類では最早外耳道への刺激しか無いので・・・。
     (他のトピで歪み成分に関して記されてましたが、そういう事も関係有るでしょう)
     

    >日本語ですと累積スペクトラムと呼ぶことが多いかもしれません。こういった呼称はスピーカー測定ソフトウェア等で使われる名称がそのまま定着するケースが多いのではないでしょうか。

    最初に言い出された言葉が流行って・・・という感じなのでしょうね。
    (日本語だと訳解らなくなりますし・笑
     >私が学んだ大学には、JOBKで富田勲氏が使用していた初の国産シンセが払い下
     げで有りましたが、先のEnvelopeが包括曲線等、全て理解するのが困難な名称で
     した)

    >この点は難しいですよね。どこを基準にすべきかという部分がとても混沌としているように思えます。

    ・・・私は積極的に音作り(Eq他で求める音に調整する)を行うので、Speakerの特
    性などは特に気にしません(逆に多少暴れてる方が、より迫力の有る音を出せると
    いうメリットも有ります>Peak成分はカットすれば良いのに対し、元から出ない成
    分は、幾らEqで補正しようとしても出せませんので)。

    所謂Flat気味なSpeakerは・・・つまらない凡庸な音にしか成り得ません。
    (まあFlatで有る程に、個性が無い訳なので)

    ・・・当然ながら、音楽や目的前提での向き・不向きという物が有ります。
    (クラシック主体なら、癖が無い方が望ましいのかも知れない等)

    後人の聴覚感度特性も非常に考慮すべき事です。
    (一般家庭で出せる音圧含め)
    http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2003/pr20031022/pr20031022.html
    (何故Audio機器に”Loudness”機能が搭載されてるのか?・・・ですが)

    ・・・人はFlatな音等聞いては居ないので。

    >なるほど。ということは,コンプレッションというよりはマキシマイズやノーマライズの影響が強く表れると理解した方がよいでしょうか。

    ・・・先の通り、リアルタイムな時間軸で変化する要素ですから。
    (Comp/Limit処理を行うという事は、直接的にEnvelope成分を加工する事に成ります
     >間接的には、時間軸でのSpectra成分も操作してますが)
        http://www.saecollege.de/reference_material/audio/pages/Compression.htm

     *DSP処理のComp/Limiterなら音量成分のみの処理が可能に成ってきてますが、
      アナログ処理では必然的に音色にも作用してしまうので。

    その為、静的な測定やプロットした周波数成分には反映されないのです。

    マキシマイズ処理のアルゴリズムは存じませんが(Comp+Limit+Expandの組み合わ
    せ?)、ノーマライズは要するに全体の平均音圧を持ち上げるとか落とすとかの、
    ゲイン幅伸張/圧縮なので、静的測定にもプロットしたデータにも顕れます。
    http://dave.lab6.com/acid/dump/2003/oreilly_web_shelf/audio/ch04_03.htm

    >DTMに親しむことも少ないコンシューマの世界では,ミキシングやマスタリングがいったいどのように行われているのかほとんど認知されていないように思います。

    ”音楽を楽しむ”という前提では、別に知らなくても良い事ですからね。

    >もう少し交流があってもよいように思いますが,エンジニアさん方のなかにはオーディオマニアを嫌う方もいらっしゃるようですからなかなか難しいかも知れません。

    プロ対アマの構図はどこの世界にも有りますが、音屋が毛嫌いするのは、解った積
    もりに成ってる/自分にも出来ると思いこんでるトウシロ(井の中の蛙)です・・・。

    業務用機器とHiFi機器は全く次元が異なる物であり、又用途/使用目的や要求される
    物も大きく異なりますので・・・。

    >このご指摘も興味深いですね。いわゆる“音作りのセンス”の問題でしょうか。

    ・・・結局センス/感覚の問題なので。
    (趣味の世界は自分一人が満足できれば良い事ですが、仕事なら多くを満足させな
    ければ成らないと言う、大きな違いが有ります・・・お金を支払ってコンサートな
    どに足を運ばれてる訳なので、費用に見合う効果を出す事が当然の事です)

    >当初プロの方だとは思わず,色々とお伺いしてしまい申し訳ありませんでした。

    ・・・最近音響システム絡みの対応から離れてます。
    (音に関わる仕事としては、かれこれ25年以上ですが)

    >私にとっては大変示唆に富むコメントでした。ありがとうございます^^

    記した事はほんの一部に過ぎませんが、各種掘り下げて見られればと存じます。
    (因みに音響屋で感覚生理やクオリア的な事まで考えてる変態は、世界中にも滅多
    に居ないと思いますが・笑・・・私自身はどうやったらより人々を気持ち良くさせ
    る事が出来るのだろうか?・・・等と常々思ってるからこそ、そういう処迄行って
    しまってます)

    ・・・医学書は高くて嫌になります(苦笑)。
    (Web上で入手出来る学術論文は基本的に英語のみですが、最近海外の論文も有償に
    成りつつあるので、益々先端学術論文の入手は困難です)

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