実は難しい(?)イヤフォン設計 その8

closeこの記事は 7 年 6 ヶ月 23 日前に投稿されたものです。最近の記事内容との齟齬がある場合,リンク切れが頻発している場合がありますが,ご了承下さい。

▼イヤフォンには歪みが必要?
 加えて,電子情報通信学会技術研究報告に『ヘッドホン・イヤホンの設計における理想周波数特性に関する検討』というものがあるそうで,抄録には,「スピーカにおける理想特性の一つは線形歪みのない周波数特性であることが知られているが, ヘッドホン・イヤホンにおいて線形ひずみのない周波数特性を実現した場合, 音質が劣化することが知られている.」と書かれています。

 な,なんと!知りませんでした…。奥深いですねぇ…。耳に音源をいれてしまうというのは人間の歴史においてはきわめて革新的といいますか,新しいことですから,人間の脳が音を把握するために培ってきた生物的な能力とマッチングしない部分があるということなのでしょうか。

▼スピーカー以上に指標がない?
 このように,イヤフォンの場合にはスピーカーとはまた違うアプローチで高忠実度再生を達成しなければならないのだとすると,まだまだ研究の余地がある分野ということになりそうです。
 スピーカーの測定環境というのは近年のPCの進歩によってかなり敷居が下がってきており,この結果各ブランド毎の個性が薄れて音質が均質化傾向にあるといわれます。
 それに比べると,まだまだ発展途上にあるイヤフォンは各社の主義主張が強烈に音に反映されているともいえそうです。

▼試聴しにいこう!
 そんなわけで,イヤフォンは聴いて好きなのを選ぶしかないということがわかりました(笑)。食わず嫌いをせずに色々と比較的評判のよい物を中心に積極的に聴いてみて,好きな物を選ぶという極々オーソドックスなオーディオの楽しみ方は,ここでも健在なようです。
 あとは,使っているDAP(デジタルオーディオプレーヤー)がどの程度の出力なのか,残留ノイズはどの程度なのか,といったことから,感度とインピーダンスをあらかじめ調べて選別しておくとよいかもしれませんね(ポータブルは小音量派なので低感度・高インピーダンスなものがよいかも?)。

 イヤフォンが試聴出来るお店というと,ヨドバシカメラの秋葉原店(ウェットティッシュ必須?w)かダイナミックオーディオ5555の1Fのようですね。時間を見つけて行ってみようかと思います。

■ いやはや,丸々一週間ずっとイヤフォンネタでした。個々の製品の音質に一切ふれないイヤフォンBLOGということで,全く皆さんのお役に立っていない気もしますが,ご勘弁を!

実は難しい(?)イヤフォン設計 その8」への2件のフィードバック

  1. Tux

    “ヘッドホン・イヤホンにおいて線形ひずみのない周波数特性を実現した
    場合, 音質が劣化する”

    ・・・単純には、かなり不自然な音環境だからこそかも知れません。
    (他に音の定位の問題も含め)

    暗転状態(視覚からの刺激を遮断する為)の無響室に入った事が有る方
    等滅多に居ないと思われますが、人は普段各種騒音環境(”暗騒音”等
    と呼ばれます)下で過ごしており、リスニング・ルーム的な防音されて
    る環境でSpeakerから音を聞く場合でも、無響室以外ではSpeakerから
    の直接音以外に各種間接音(壁面・天井を経由して遅延して自分が音に
    囲まれる状況?耳に到達する成分など)も同時に聞いています。

    日常生活を想像して戴ければ、人は自分の周りの様々な音に囲まれて生
    活してますが、不自然な環境で有る程に、違和感を感じる事に成ります。
    (究極なのが、暗転状態の無響室なのですが
     >もし閉じこめられたら、最早拷問です・・・自分の様々な体内音/
    ノイズを意識する事となり、強制的なBio-Feedback的な事となり、長時
    間では発狂するかも知れません)

    ”When there is no audible input as in an anechoic chamber
    we hear our own nervous system as a high pitch, and our blood
    circulating as a static drone. If we get no visual and auditive
    input our deprived brain starts creating colourful hallucinations
    which people experience in mediation tanks filled with salt
    water and creating the illusion of weightlessness.”
    http://www.hohlwelt.com/en/interact/experie/self.html

    ジョン・ケージ等も有名ですが:
    http://en.wikipedia.org/wiki/4%E2%80%B233%E2%80%B3
    http://ja.wikipedia.org/wiki/4%E5%88%8633%E7%A7%92
    (関係無いけど、”4′33″は音版コンセプチュアル・アート的な感じです)
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E5%8E%9F%E6%B8%A9

    それ以前に:
    http://en.wikipedia.org/wiki/Tinnitus
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%80%B3%E9%B3%B4%E3%82%8A

    ・・・果てしないので(笑)。

    興味有れば:
    http://ci.nii.ac.jp/naid/110003288300/
    http://www.mmk.e-technik.tu-muenchen.de/persons/ter/top/audiinfo.html
    http://www.google.co.jp/search?&q=linear+distortion+auditory
    http://www.google.co.jp/search?&q=distortion+headphones+psychoacoustic
    http://www.google.co.jp/search?&q=distortion+psychoacoustic

    こういう研究も有ります:
    http://acousticsg.shinshu-u.ac.jp/acoustics/paper/EA2002-03.pdf
    http://acousticsg.shinshu-u.ac.jp/acoustics/paper/AES2003-1.pdf
    http://acousticsg.shinshu-u.ac.jp/acoustics/paper/IEICE04_01.pdf
    http://acousticsg.shinshu-u.ac.jp/acoustics/paper/EA2005_06.pdf
    http://acousticsg.shinshu-u.ac.jp/acoustics/paper/

    返信
  2. えるえむ

    Tuxさん,コメントありがとうございます^^
    たくさんご紹介していただいているので,ちょっとお返事に時間がかかりそうです。本当にありがとうございます。まだまだ知らないことばかりですねぇ。
    少々お時間くださいませ^^;

    返信

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