いつか「オーディオ感想家」になる日

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 音を聴いてどう感じたかを書くことは評論ではないと思うんです。なぜなら,評論とは,何か対象に対する考察を経ることで得られた知見を表現する行為であって,感得した印象を縷々言葉にする作業とは似て非なるものだから,でしょうか。
 つまり,音を聴いてどう感じたかを書くこととは,感想文を書いているのであって,評論ではないということですね。

 悲しいことに,オーディオ評論とされるものの「一部」には,どう読んでも感想文としか読めないものがあります。構造的には,紹介したい機器を製造するブランドの概要→紹介したい機器の技術的概要→聴いた感想,といった形式で,皆さん義務教育で必ず一度は書かれたであろう読書感想文と大差ないわけです。

 感想文ばかりの自称評論家が増えるのならば,いずれはオーディオ評論家がオーディオ感想家と揶揄される時代が到来するかもしれませんね。

いつか「オーディオ感想家」になる日」への6件のフィードバック

  1. fuku

    うーん、仰るとおりかと思いますが、楽しくない結末ですねぇ。
    以前、解説者(ブランドの概要・機器の構造他に詳しい、性能を発揮させる使い方について解説できる)、批評家(ある程度読める文章を書く、個人的な嗜好による好悪のみ)、評論家(一定の観点から、機器の成り立ちやあり方・音について論陣をはり、評価を下す)に分類してみようと思ったことはあります。
    途中で怖くなってやりませんでしたけど(苦)

    個人的には、雑誌に載せる時に重宝するのは解説者(新製品についての記事を書くのに必要)のような気がしますけど。

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  2. 結うまい

    いろんな意味で国民総批評家時代ですからね。
    blogなんていい例でしょう。
    拙宅も同じですしw
    そんな中、雑誌では正直にいって読んでいて解説者や評論家と言える人は殆ど居ないでしょうね。
    評価軸もオカルトが多いですし、スポンサー広告中心であるのは、雑誌の構成を見れば明らかです。
    でもそんな中で確かに素晴らしい解説や評論はありますから、最初から疑って記事を読んでいます。
    事実今月のHiviやAVレビューは、楽しめる記事は片手も無かったです。

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  3. たもそ

    評論家として仕事をする以上、常に基準となる音に触れていないと
    いけません。つまりリファレンスを自宅に持つことですね。
    必ずしもフラッグシップの必要はありませんが、それがあまり
    特定のブランドに偏るのは良くないです。

    私も使ってるんですがね。

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  4. えるえむ

    fukuさん,コメントありがとうございます^^
    そういえば,インターネットが今ほど普及していない時代にオーディオ評論家を評論するページというのがありましたね(今でもあるのかもしれませんが)。
    実際は,評論家の癖を知ることはカタログ雑誌を見る上で非常に有用な技術であるものの,これを身につけるにはある程度場数を踏んで損得を繰り返さないといけませんねw

    技術的な解説は基本的にメーカーのほうで詳細にされるのが最も直截だとはおもいますが,それはそれで文章下手な方もいらっしゃいますし,嘘か誠かわからない怪しげな話題もあったりしますし,難しいかもしれません。

    基本的に,解説として読むべき程の情報量が詰まっている記事はあまりみかけなくなりました。Stereo誌なんてもの凄い薄さになりましたし,StereoSoundも紙質が悪くなって広告が増えたような?

    媒体の今後を考えなければならない時かもしれません。菅野さんあたりは,パッケージメディアに拘る以上,紙媒体に拘るのかもしれませんが。

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  5. えるえむ

    結うまいさん,コメントありがとうございます^^
    評価軸がオカルトであるかどうかを判断基準とするのも良いとは思いますが,オカルトをオカルトにしか思えないと正直に白状する評論家さんがいるとすれば,大変親近感が湧きますね。

    オーディオ&ビジュアル雑誌の読み方というサイトをつくって,毎号解説したらアクセス数が増えるコンテンツになるかもしれません(爆)。

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  6. えるえむ

    たもそさん,コメントありがとうございます^^
    リファレンスたり得る音というのは大変難しいですね。
    記録して再生するという構造の宿命でしょうか。

    私は,どうせ感想を書くなら,「私の好きな音はこういう音です。私の好きな録音はこの盤です。私の評価方法はこうです。」というのをいつでも参照できるようにしてほしいと思います。
    巻末でもどこでもよいので,毎号きちんと載せて,頻繁に見直して改訂していただきたいですね。

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