jillart邸訪問記の続きです。
▼まずはステレオ2chのシステムを聴かせていただきました。
DynaudioのEvidence Temptationといえば,デザインが個人的にもの凄くツボでして,個人的にいつかは買いたいSpのかなり上位にあるランクインしています。そんなSpが個人宅で聴けるチャンスというのは滅多にないわけでして,こうして目にするだけでかなり嬉しいですね。
jillart邸のシステムは,PCオーディオならではの情報量の多さを基礎に,音の堅い部分と柔らかい部分が絶妙に混じり合っており,オーディオの基礎体力が大変高い音がするシステムであるように感じられました。
オーディオ用の部屋も床や壁を強化されていて,リスニングポジションやや後ろが吹き抜けのようになっています。左右の壁の反射からか残響成分がやや多めですが,全体のバランスがきちんととられているので,室内楽やJazzトリオなどの小編成ものを中心に,非常にノリ良く聴くことが出来ました。
低域が予想以上に下までしっかり再生されており,jillart邸でのヘルゲリエントリオのHello Trollのかっこよさに驚きです!華麗で,クールで,かっこいい!
残響成分多めで美音に振るのはわりと簡単だとおもうのですが,歯切れの良さと両立させるのはかなり難しいように思います。Sharpのデジアンの活躍もあるのでしょうね。
クラシック曲もいくつか聴かせていただきましたが,音楽の躍動感といいますか,聴いていて飽きない情緒豊かなサウンドが印象的でした。
▼マルチチャンネルシステムを聴かせていただきました。
え?Sapphireがリア??
まぁ,Temptationを聴いてしまうとそうなのかもしれませんが…。もの凄い物量です。ノルウェーL2のものなど,本気を出したマルチチャンネルというのを初めて聴かせていただいたのですが,一番驚かされたのはマルチチャンネルってベストポジション以外でも普通に鑑賞できる!ということですw
実のところ,ITU勧告とかを見ているともの凄く試聴位置にシビアな印象があり,微動だに出来ないのかと思っていたのですが,全然そんなことはなくて,Spのサークル内にいなくても十分音楽鑑賞が出来ます。むしろ俯瞰するような感じでむしろ通常のステレオ再生より好きな人もいらっしゃるのではないでしょうか。
マルチチャンネルの音場表現は実際ステレオ2chより容易にハイレベルに到達するようで,リスポジで試聴した際の空間表現はかなり秀逸でした。違和感なく空間を取り込んだような音がします。高さ方向の表現もステレオより容易なようです。うーむ。これはクラシックを聴かれる方は4chでよいのでマルチchを…という話になるのも納得です。
反面,ソフト側にマルチchのスペックを生かし切れていないものが多いのが残念ですね。わざとらしくリアを鳴らすマルチch再生は興ざめです。マルチchの収録は非常に難しいと思いますので,プロの皆さんには是非がんばっていただきたいと思います。
■ もうちょっとjillart邸の話が続きます。