オーディオオカルト?オーディオカルト?

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▼オーディオ≒オカルト?
 オーディオファンの皆さんは,オーディオオカルトもしくはオーディオカルトという単語をご存じでしょうか。後者は造語(オーディオ+オカルト,カルト的な嗜好の意)ですが,近年もっとも理系人間(自称)の遊び場になっている分野の一つといえましょう。
 まぁ,簡単に言えば,オーディオマニアは針小棒大だ,理論的にあり得ないことを平気で信じ込んでありがたがる(おまけに高いお布施を払う),ということについて批判的な意見に結びつくわけですね。昨今のネットに見られる理系人間のほうが偉いぞみたいな風潮も追い風になっているでしょうか。

【参考】
http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20090715/p1
http://www.spotlight-jp.com/matsutake/mt/archives/2009/08/cd.html
http://www.hide10.com/?tag=%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88

 私はオーディオに関してはわりと冷めているので(飽きているという意味ではない),自分の感性は大事にしますが,オーディオにまつわる情報はほとんど疑うところからスタートします。もちろん情報そのものの信憑性を疑うことも重要ですが,それ以前の問題として,そもそも情報の取捨選択の時点で結論ありきな情報を抜き出していないか,ということもかなり重要ではないかと考えています。
 なので,私は意識的にマニアに批判的なサイトを見て,どうしてもバイアスがかかりがちな部分を少しでも戻すようにしています。技術的背景が読み取れ,参考になる部分も多いいくつかのサイトはリンクページからリンクしています。是非ご覧になってみてください。

 ただし,彼らの多くは最高の音を聞きたいのではなく,費用対効果の高い音が聞きたいのであって,そこには,自分なりに(できる範囲で)最高の音を求めたいという層との恐ろしいまでの意識の断絶があることを認識しておくことが必要でしょう。
 逆に,こういったお立場の方々には,とにかく現時点で購入できる製品で究極的に理想型なシステムの提案もしていただいたらどんなものになるのか,常々興味があります。

▼積極的オカルト否定派の考え方を探る
 ざっくりと分類するとこんな感じでしょうか。もちろん,あくまでも推測に過ぎません。

○馬鹿だな?と思う人を安全圏から馬鹿にしたいよ派
 匿名でおもしろおかしく文章を書いて,他人を馬鹿にすること自体が半ば目的化しているタイプ。別にオーディオでなくてもなんでもいいが,オーディオは話がシンプルで楽。
 →普段オーディオネタがほとんど無く,言い回しに工夫を凝らして読者を引きつけることに注力しているパターン

○同じオーディオ好きとして恥ずかしいよ派
 オーディオは好きだけど,自分が変わるとは思えないことで変わる変わるとはしゃぐ人間が愚かしくてみていられない。自分もそんな人間と同類だと思われるのは我慢ならない。
 →普段からオーディオネタが散見されるが,なんかやたらと怒っている様子が見て取れる文体になっているパターン

○他人が無駄金使っていると指摘して憂さ晴らししたいよ派
 オーディオはとにかく際限なくお金がかかる。自分が遊びでは買えない製品を切って捨てるのは楽しい。
 →とにかく高い製品が安い製品と同等の価値しかない,もしくは安い製品のほうが優れていると強調するパターン

▼説得するということ
 相手を説得する(ここでは,自分の意見を相手に納得させるという意)ということを考えたとき,内容だけで説得できるというのは大きな誤りでしょう。正しいことをいっていても,それが受け入れられないということは実際には良くあることです。なぜか?それは相手が人間だからですね。
 ですから,相手を説得することに主眼があるのであれば,相応の手法によらなければなりません(大変素晴らしい例として,とのじさんのBLOGをご紹介しておきます)。合理的な一般人をして妥当とは思えない手法によっているのであれば,それは別の意図が含まれているということに他なりません。
 もし,オーディオオカルトを本気で積極的に否定するのであれば,もう少し真剣に取り組む必要があるとおもいますが,全体的に,あいにくまだまだ茶化すレベルでしかないのが残念です。本気を出すならpiyoさんみたいにメーカーを詐欺会社と呼んで糾弾するくらいの気合いはほしいですね。

【参考】
http://tonoji.seesaa.net/article/62055123.html
http://jca03205.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-dfe2.html

オーディオオカルト?オーディオカルト?」への11件のフィードバック

  1. hiro-bo

    ここ最近常々思うのですが、結局最終的には個人の官能満足度になってしまうので、いわゆる食べ物の話に置き換えると面白いな、とか思っています。

    あの世界も高みを追及する人もいればB級の人もいます。
    腹さえ膨れればいいとか・・・。
    結局どこに満足度と立ち位置を置くかだと思うんです。

    同じ畑の素材を使って超高級フレンチになったり
    ごく普通の駅前居酒屋の一品になったりもしますし・・・。
    食べた事も無い高級店の悪口言ったりする人もいますよね(笑。

    食事は生活環境とか育った地方とかその人となりが色濃く出てしまう部分でしょう。最近は結局はそれと同じなのかなとか思ったりします。

    ま、とりあえず食ってみてから話してくれや・・
    とか思ったら舌が未熟で大人の味がわからないとか(笑
    まま有る話だったり・・・。

    最近見かけた話で、某所でふぐを食べたことの無い人が結婚式に呼ばれ、超高級なてっさを出されて、噛み応えが変な薄い魚を変なタレで食べさせられて・・・みたいな話に、えらいツッコミが入っていて面白かったのですが、なんだかその辺りの話とどれだけ違うのかとか思ったりするんですが、例え話としては飛躍しすぎですかね?

    返信
  2. ひゃお

    えるえむさんお初の書き込み失礼します。

    hiro-boさん初めまして。よこやりお許しください。正にhiro-boさんの主張と同じような事を考えていたので投稿させて頂きます。

    乱暴ですが僕はこのように例えて考えました。

    1流シェフ(アーティスト)のレトルト食品(ソフト)をどう解凍(再生)して美味しく食べるかがオーディオではないかと。

    ここにそれぞれの経験を含めた”美意識”が出る。

    ひと手間加えて奇麗にお皿に盛って初めて料理だと思う方もいれば、パックから直接スプーンで食べるのが1番美味いとか。それもそのレトルトによって違うとか、あそこのレトルトは昔は美味かったけど今は味が落ちてダメだとか色々言える訳です。^^

    音楽、再生音、オーディオにまつわる全ての趣味、志向などはそれぞれの”美意識”の違いで説明が付くと思います。

    個人的にちょうどタイムリーだったので書き込みさせてもらいました。失礼します。

    返信
  3. moonriver

    すべて美意識ですむのなら、あえて間違った物理的説明をする必要はないのではないかと思うことが多々あります。
    エルエムさんの書いているような、悪意を持って接している方も確かにいるとは思うのですが、一方、明らかに間違った科学的根拠を元に物理、音響を論じられていることにいらだちを感じている方も相当数おられると思いますよ。
    一方的な立場で断罪を始めれば、同じ穴の狢になりかねないかと。

    ところで、時間はかかりましたが、位相に関する前のエントリーは正しい理解にたどりついたようですね。

    返信
  4. ひゃお

    moonrierさん初めまして。

    なるほど。おっしゃるような物理的、科学的に明らかに間違っている事を、無意識、あるいは意識的に主張しているような状況は想定しておらず守備範囲外でございます。

    あくまで趣味のオーディオでの話でございます。

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  5. えるえむ

    hiro-boさん,コメントありがとうございます。
    確かに,感覚を表現するという点においては,食という趣味と似ているところがあるとはおもいますね。
    オーディオを趣味にする人だって,最初からあーだこーだと音の違いを云々いっていたわけではないとおもいます。何か感動的な原体験があって,理想ができ,階段を登るように,山を登るように,徐々に自分の理想に近づいていく趣味ではないでしょうか。
    その過程で,目指すものが変わることもあるでしょう。新しい発見をすることもあるでしょう。
    これは,美味しい料理を作るということを考えても同じようなことがいえるように思います。やはりセンス,場数,経験が必要です。

    ただ,すべて食と同じかと言われるとそうでもないように思います。
    ひゃおさんがご指摘のように,やはりオーディオは「音源を再生する」というというところから抜け出せないので(ドがレになるわけでもない),この点をどのように考えるかは重要な課題であると思います。

    余談ですが,やはり,違いがわかるわからないという話になってしまうと,選民思想的というか,わからない人扱いされた側からすると反感を買いやすいのは事実ですし,結局オカルトといわれてしまいますから,もう少しソフトな説明方法はないかなぁと思っています。
    おっしゃりたいことはもちろん実体験としてはわかりますけどね(笑)。拙宅のシステムを聴いて違いがわからないといったのは,バイト仲間の某氏が唯一なのですが…(もしかして他はお世辞??(爆))。

    返信
  6. えるえむ

    ひゃおさん,コメントありがとうございます。
    >1流シェフ(アーティスト)のレトルト食品(ソフト)をどう解凍(再生)して美味しく食べるかがオーディオではないかと。

    これはかなり良い比喩ですね。
    シェフのお店の料理=ライブ,というのが前提となってますでしょうか。レトルトというのがパッケージメディアの特質がよく現れていて良いと思いますw シェフもピンキリだとおもいますので,あえて一流とつける必要はないかもしれませんが(爆)。
    オーディオってどういう趣味?っていうのを尋ねられたら,このように返事しようかな。

    あとは,moonriverさんご指摘の,
    >明らかに間違った科学的根拠を元に物理、音響を論じられていること
    という部分をどのように料理で言い換えるかどうかですが,結構難しかったです。まだまとまらない…。

    返信
  7. えるえむ

    moonriverさん,コメントありがとうございます。

    >すべて美意識ですむのなら、あえて間違った物理的説明をする必要はないのではないかと思うことが多々あります。

    美意識ですから,本来は他人と共有できるわけもなく,正しさなんてどこにもないのですが,そこは人間ですから,どうしても安心したくて他者と共有したい,自分の感覚を認められたいという欲求がでてきてしまいますよね。
    名画とよばれるものがなぜ名画なのか,どこが名画たりえているのか,というのを素人同士で説明させてもたぶん共通の感覚は得られないのではないかと(笑)。

    話がちょっとそれましたが,結局,自分の感性は正しいということを示したくて,自分の感性は客観的事実に裏付けられていることを渇望するあまり,事実をねじ曲げてしまうということなのでしょう。

    >明らかに間違った科学的根拠を元に物理、音響を論じられていることにいらだちを感じている方も相当数おられると思いますよ。

    仰るとおりです。私も,「CDPはCDの情報を100%読み取れていないが,PCのリッピングでは云々」という誰が言い出したのかわからないいつの時代だっていう話を鵜呑みにされている方をみるにつけ,がっかりしてしまうのは事実です。
    ただ,位相の話もそうですが,客観的事実に反することを認識・認容していて,明らかに間違った科学的根拠をでっち上げるのと,注意深さや思慮深さが足りなくてつい言っちゃったというのとでは,問題のレベルが違うように思います。
    ですので,オカルト批判自体は結構なことですが,何をオカルトとするのかということとその適用範囲について,そして誰を対象にするのかという点について,批判する側は意識的であることが必要ではないかなと思うわけです。現状では,自分の常識に反するからオカルトだーなんていい加減なものが多い気がしますね。
    そういう意味でも,とのじさんの「何かを発言する前に「判っている事」と「判っていない事」と「知らない事」の区別はきちんとつけるのが宜しいのではないでしょうか。」というご発言は大変示唆に富むものだと思います。


    moonriverさんのコメントやBLOGのエントリはいつも示唆に富むものばかりで,あとから拝見して改めて納得することも多いです。
    位相の件,ようやく一歩前進といったところでしょうか(汗)。
    今後は,正しい意味での位相との対比において,いわゆるエンジニアの言う「位相」とは何なのかということを分析してみたいと思います(こちらが本丸)。

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  8. moonriver

    エンジニアさんの言う位相とは、振幅およびタイムレスポンスの周波数依存性のことだと思います!

    返信
  9. えるえむ

    >moonriverさん
    まぁ!なんと身も蓋もない!
    でも,そこから先に進んで,いわゆる「位相」が良い状態,悪い状態の区別がどのようになされているのかをちょっと考えてみたいと思っています。

    返信
  10. ひゃお

    えるえむさんこんにちは。

    理解して頂けたようでうれしいです。^^我ながらいい例えじゃないかと鼻の穴膨らませておりました。

    塩加減命の人もいれば、出汁感重視とか、いや温度が大事とか、人それぞれ味わって評価してるポイントが違うところも面白いでしょう。^^いくらでも言い換えられるんです。

    >明らかに間違った科学的根拠を元に物理、音響を論じられていること

    これはオーディオ、音響に限った事じゃなくどこの世界でもある事じゃないですか。全くとんちんかんな事を信じ込んでて聞く耳持たない方と議論しようとするのは困難を極めます。あえて例えるなら”自覚の無い超個性的な味覚の持ち主”じゃないでしょうかね。こことはあえて絡みたくないし絡む必要もない。^^だから守備範囲外なんです。

    ま?そこは外しておいて、僕が気に入っているのは”美意識”って認識を持ってそれぞれのオーディオ好き(あえてマニアとくくらず)の行動や趣味志向を見渡すと好意的に理解しやすい所なんです。>なんか変な言い回しですね。学なくてすみません。

    奇行に見える事も^^その人の美意識に基づいての事なんだなと思えば好意的に理解しやすい。
    (上に書いたように明らかに間違ってるとか別の話ですよ)感じ方の相違で相手に否定的な感情をもちがちな音にまつわる評価において美意識って認識を用いると好意的、平和的なんじゃないかと。

    文章での表現は難しいね。

    また全く違うんですが食との関係で「今までで一番美味しいと思ったものはなんですか?」って質問に大しての答えの多様性がオーディオにも当てはまると思った事があります。>その質問もナンセンスですがオーディオに当てはめるとこういう事を案外追っかけてる人多いんじゃないかと思ったりして。

    食べたシチュエーション、経験、受け手の状況だったり、僕ははなから1番なんて答えられないし。アレも美味いし、あの時に食べたアレも捨てがたいし、あれもこれも。^^

    なんか取り止めの無い話になっちゃいましたが食との共通点は多いですね。>強引にしめる

    返信
  11. えるえむ

    >ひゃおさん
    自覚の無い超個性的な味覚の持ち主,ならまだいいんですよ。無視すればいいだけですから。
    ただ,その味覚が正しいとか思って,その料理に入ってもいない砂糖について蘊蓄を言い出したら末期ですね(笑)。
    とはいえ,これもあくまで料理そのものに対する意見なわけで,避けて通ればいいだけのことです。
    問題は,音楽や音質を料理にたとえる場合,オーディオ機器は調理器具になってしまうことだとおもいます。どちらのガスコンロがより美味しく料理ができるのか,みたいな(爆)。
    そうやって考えると,オーディオ機器の音質論争なんてのも,なんだかかわいらしく感じますね。

    返信

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