SHM-CDをバイナリチェックしてみる

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 皆さん,SHM-CDというものをご存じですか?簡単に言えば,CDの樹脂に高品位なものを使用したオーディオファン向けCDのことです。この手のCDは大抵JazzとClassicばかりと相場が決まっていたのですが,今回はPOPS系ソースもSHM-CD化されており,間口の広い試みとなっています。こういう企画は大歓迎ですね^^

http://www.universal-music.co.jp/u-pop/special/shm-cd/index.html

 さて,ビョークの『Homogenic』にSHM-CD版があったので,ノーマルCD版とバイナリを比較してみました。とりあえずTrack1のHunterのみですが,下記にバイナリチェックの結果を挙げておきます。なお,イメージはTrack1の値ですが,全てのトラックでバイナリは一致いたしました。
 この結果は当然のことです。CDに使われている素材が変更になって透過率が向上することでバイナリが変化する,といったことは技術的に考えられません。

SHM-CD_Hunter - Bjork.JPG

 なお,SHM-CDにはバイナリが不一致のものもあるようですが,それはリマスタリングがなされていることと同義なので,CDの素材とプレスによる変化を純粋に確認することはできません。素材のプロモーションとしては不適当でしょうね。
 ネットにはSHM-CDとCDの比較試聴と称してCDP等で比較して聴感上の感想を述べている方もいらっしゃるようですが,もし素材の違いを検証する目的で試聴されるのであれば,前提としてバイナリが一致するかどうか確認しなければならないと思います。リマスタリングされていれば音が違うのはいわば当たり前です(この場合バイナリ不一致になるのは当然)。SHM-CDの恩恵とは限りません。
 結局のところ,バイナリが一致することを確認したうえで,それでも音が変化したように聞こえるか,が最も肝心な問題です。

 まとめますと,以下のようになります。
○SHM-CDでも通常のCDでも,波形データを編集しない限り両者のバイナリは一致する。
○SHM-CDには通常のCDとの比較でバイナリが一致するものとしないものがあるらしい(私はバイナリ不一致のものは入手しておりませんが)。
○SHM-CDでバイナリが通常のCDと異なる場合には,リマスタリングされていると考えられるので,素材の違いによる変化を比較試聴したことにならない。

 肝心の音の変化ですが,某ショップでも店員さんと試聴しましたが,明らかに音が違って聞こえてしまい笑ってしまいました(プラセボパワー全開な耳ですw)。拙宅ではどうなることやら…(帰宅が深夜でまともに聴けません)。

SHM-CDをバイナリチェックしてみる」への17件のフィードバック

  1. ビプロスキング

    昔ではAPO樹脂という、透過率の高い高品位樹脂を使ったCDが出ていました。
    当時は、まだCDが普及し始めた頃だったので登場する時代が早すぎたのかも知れません。

    今となっては、マニア向けに色々出してくれる時代になって、ありがたいかぎりです。

    SHM-CDの音の違いですが、樹脂に帯電する静電気の影響が大きいのでは無いかと、一人で妄想しています。
    だから、同様にガラスCDも音が良いんではないかと・・・
    それに某社の静電気を除去するアクセサリーも評判良いですよね。

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  2. Macindows

    某所にも書いたのですが、SHM-CDではなく、ドイツ・グラモフォン・ベスト100(全てニュー・カッティング(ルビジウム)によりさらにクリアな音質に)の一枚について、旧録音のCDとデータの比較を行った事があります。

    組曲『惑星』カラヤン&ベルリン・フィル
    UCCG-70003
    http://www.hmv.co.jp/product/detail/2577867

    Karajan Gold made in Germany, Dg
    43911-2
    http://www.hmv.co.jp/product/detail/141577
    です。
    WaveCompareのオプション設定はえるえむさんと同様に、”ゼロスキップ”と”一致点を探す”をオンにしました。

    結果は全曲について、完全に一致します。変化を期待していましたが、元々ディジタル録音(1981年、ユニバーサルミュージックの記載は間違い)なので、変わるはずがないのでした。

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  3. えるえむ

    ビプロスキングさん,コメントありがとうございます^^
    APO樹脂のCDといえば中島みゆきとか出してましたよね。
    静電気の影響はバカにできないかもしれません。
    というわけで,サンダーロンでちょっと遊んでみたいと思ってます。
    皆様に報告できる程良い結果がでるかは謎ですが…。

    返信
  4. えるえむ

    Macindowsさん,コメントありがとうございます^^
    やはり一致しましたか。素材でバイナリが変化するということはあり得ないことがより確からしくなりましたね。
    Macindowsさんのシステムでは,SHM-CDはいかがでしたか?

    拙宅のサブでは余り違いが出ず,お店だとあんなに違って聞こえたのにな?と不思議です。
    メインではまだ聴いてないので,後日聴いてみたいと思っています。

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  5. Macindows

    残念ながら、SHMD-CDは持っていないんです。あったら試してみたいのですが。
    なお、ドイツ・グラモフォン・ベスト100の説明はここですので、追記します。
    http://www.universal-music.co.jp/classics/release/dgbest100/index.html

    SHM-CDでは無くて恐縮ですが、CDに関して私の検証結果で言えることは(あくまで調べた範囲内で)、
    1.元がディジタル録音でリマスター版で無い録音だと、ルビシウムカッティング版でもデータとしては変わらなかった。
    2.DGの場合、ドイツ版も日本版もデータとしては同じで、発売国に依ってデータが変わる事はなさそう。

    2.に関しては、他メーカーですが、米国発売輸入版のPopsを国内版と比べた事がありますが、データとしては一致したので、結構一般的に国内外版のCDについて言えそうです。よく発売国オリジナル版の音が良いと言われることがありますが、少なくともデータ的には都市伝説っぽいです。

    >拙宅のサブでは余り違いが出ず,お店だとあんなに違って聞こえたのにな?と不思議です。

    ディジタル周りに気を使って構築したシステムなら、そうなって当然の様に思います。オフラインでリッピングしたデータを使いネットワークプレーで再生しいるので、個人的にはもうCDのCDPによるリアルタイム再生には、興味が持てないですね。

    今後は24/96のマスター音源(DRMなし)、DSDマスター音源のダウンロード販売等が、コアユーザ向けに生き残っていってほしいと思います。

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  6. キン肉マン

    >2.に関しては、他メーカーですが、米国発売輸入版のPopsを国内版と比べた事がありますが、データとしては一致したので、結構一般的に国内外版のCDについて言えそうです。よく発売国オリジナル版の音が良いと言われることがありますが、少なくともデータ的には都市伝説っぽいです。

    輸入盤と国内盤の扱いですがレーベルによって違います。
    多くのレーベルではマスターテープをコピーして国内盤用のマスターテープを
    作成します。よって当然デジタル領域で一世代劣化します。
    実際はかなりの確率でこの作業が行われていると思った方が良いでしょう。
    そんなワケで私は海外レーベルのCDは極力輸入盤を購入する事にしています。

    返信
  7. えるえむ

    Macindowsさん,コメントありがとうございます^^
    SHM-CD,ご関心のもてるものがあれば,是非おためしください♪
    個人的には,宇多田ヒカル聞き比べをやった限り,バイナリは一致しているのになぜか違いがあるように聞こえてならないといった経験もしているので,プレスによる音の違いというのがあるのかどうなのか,悩ましいところです。
    ですから,今はHDDにデータが如何に記録されていくのか,ということに興味があったりします。

    データ的に一致というか,バイナリレベルで一致,というのが正しい言い回しなのかもしれません。
    次期DACは完全にWordSyncさせたシステムにしたいので,ジッターに強くなってくれるとうれしいのですが…w

    Macindowsさん,興味がおありなようでしたら,宇多田ヒカルのCDお貸ししますよ^^
    バイナリは一致していますが,拙宅ではどう聞いても違って聞こえます(プラセボパワー炸裂!)。
    東芝盤がオフ会でどこかに忘れてきたか何かでありませんが,またヤフオクで200円くらいで買おうかな…(笑)。
    調達は可能なので,いつでもおっしゃってください。

    返信
  8. えるえむ

    キン肉マンさん,コメントありがとうございます^^

    >多くのレーベルではマスターテープをコピーして国内盤用のマスターテープを
    >作成します。よって当然デジタル領域で一世代劣化します。

    まぁ,アナログでの話なら,マスターテープからのコピーは容易に劣化するということが自明だとおもうのですが,デジタル領域での話となると,基本的に劣化しないのが売りなので,ちょっと語弊があるかもしれませんね。
    プレスでの音の違いを経験してしまうと,おっしゃりたいことはよく分かるのですが…^^;

    個人的には,マスターのデータから直接コピーするならさして問題はないとおもっていますが,本国のCDやCDRを日本に送付し,日本でリッピングし直して再度プレスするようなケースですと,音は変わって聞こえる可能性もあるかもなーと思っています。

    返信
  9. キン肉マン

    CDに限らずDVDもそうですが本国以外で発売する際は基本的にその地域毎に
    マスターテープを作成するわけです。
    一世代コピーならまだしも二世代・三世代コピーっていうパターンもあります。
    まぁ実際に聴いてみると一世代コピーでも結構違うんですよ。
    えるえむさん的には間違いなくNGレベルでしょうねw

    >本国のCDやCDRを日本に送付し,日本でリッピングし直して再度プレスするようなケース

    まるまるリッピングというのは基本的に無いと思います。
    (と言ってもここ2、3年の裏事情は分からないですが…)
    ただしコンピレーション盤なんかは既発売のCDを集めてきて必要な曲だけを
    リッピングし、Sonicなんかで編集してマスターを作る事が多々あります。

    実際に現場での作業を見ちゃう(聴いちゃう)と洋楽の国内盤やコンピレーション盤は
    買えなくなりますね。自分の働いていた飲食店のメシが食えなくなるのと一緒ですw

    余談ですが個人的にはガラスCDやSHM-CDってあまり評価していないんですよ。
    以前からポリカーボネートの音の悪さは業界内では知られていましたし、
    何を今更やってるのかなぁって感じです。
    こんな事をやってもオーディオマニアのCD離れには歯止めはかけられないでしょう。
    根本的にプレスという技術を使っている限りディスクの音には限界があるんですよ。
    マスタリングスタジオがテキトーに作るDATコピーの方が遥かに良いですから。

    ちなみにプレスにおける音質差というのはバイナリは関係ないんです。
    昔は送り出し機器側の精度を求めていましたが(ルビジウムやケーブル等)、
    今はどれだけ正しい大きさの穴(ピット)を開けられるかという事の方が
    重要視されています。ようするにいかに加工精度を向上させるかという
    工場的なアプローチですね。だから上手く穴の開かないポリカーボネートを
    使うのを止めたのです。

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  10. キン肉マン

    ちなみにユニバーサルミュージックの説明にある樹脂の透明度云々というのは
    個人的には???です。もちろんそれも音質が変わる要素ではあるんですけどね。
    たしかガラスCDもSHM-CDも元ユニバーサルの福井氏が先導してやってるんだっけ?
    学生時代、スタジオ研修でお世話になったけど面白い話をいっぱいしてくれたよ。

    返信
  11. えるえむ

    >一世代コピーならまだしも二世代・三世代コピーっていうパターンもあります。

    まぁ,コピー先のメディア次第なのかもしれませんが,
    きっとHDDにコピーしてそれを郵送なんてことはしてないんでしょうねw

    >ちなみにプレスにおける音質差というのはバイナリは関係ないんです。
    >昔は送り出し機器側の精度を求めていましたが(ルビジウムやケーブル等)、
    >今はどれだけ正しい大きさの穴(ピット)を開けられるかという事の方が
    重要視されています。

    CDのピットに起因するジッターっていうのもあるそうですね。
    これを測定する機器もあるみたいですが…。
    まぁ,一般的にはこうしたCDメディアのジッターはドライブ内のバッファに展開される時点で消滅する,というのが一般的な見解のようですが,なかなかこのあたり焦点があたらないですね。

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  12. プレス工場で

    11.の書き込みの通りですけれど

    プレス工場で、プレスマスターをカッティングする時のクロックやピットの精度が原因により『CDの最終的なジッター発生率?音質が決まる』感じでしょうか?

    CDメディアのジッター、エラー補正、フォーカス補正モーターノイズ、が原因で、D/A後のアナログアンプに音質的な変化が出るのは、発売当時から言われていましたよね?。

    当然、バッファ(リッピング含む)?リクロックすれば切り離せるはずなんですけど。どうにもなんないもんなんすかねー。笑。

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  13. えるえむ

    プレス工場でさん,コメントありがとうございます^^
    このあたりはキン肉マンさんがお詳しいんですけれども,プレスマシンによっても微妙にピットのできあがり方が異なるそうで,音がよいとされているプレス会社には相応のノウハウがあるそうです。

    CDメディアのピットジッターが,再生時のあらゆる要因によるクロックジッター全ての下限を決める,という感じじゃないかとおもいます。
    とはいえ,メディアのジッターカウンタを作っている会社自体,それが音質や画質に影響するとは主張していなくて,むしろ音は変わらないけど良くすることに越したことはないからカウンタを使うべき,といった論調だったりします。
    これも当然といえば当然ですが,ちょっと残念ですね。

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  14. benoit

    はじめまして、benoitと申します。
    僕も先日SHM-CDを入手しまして、やはり音が変わると感じました。
    しかも、オーディオ初心者の耳でも違い判るので、逆に「音源が違うんじゃないのか」と思い、本日バイナリデータのチェックをしようとWEBをチェックしていたら、こちらのブログに出会いました。
    今までは、デジタルの理論上トランスポーターやデジタルケーブルの質で音は変化するはずがないと言う持論でしたが、バイナリが一致するとなると考えを変えざるを得ないと思っております。
    オーディオは、奥が深いですね。

    返信
  15. えるえむ

    benoitさん,コメントありがとうございます^^
    最後の最後で感性を信じようとするbenoitさんのご判断,尊重いたします。
    厳密には,トランスポートやデジタルケーブルにも,伝送ジッターの問題がありますので,D/A変換がbit perfectで正しく行われているか怪しい場合もあります。
    この辺りの問題はS/PDIFの仕様における潜在的な問題で,根本的な対処方法はあまりありません(ASRCによるクロックの打ち直しなど,考えられないわけではありませんが,理想的なASRCを作るのが難しいわけで)。

    なお,SHM-CDで音が変わる(かもしれない)という話は,読み取り時のピット成形の精度とその読み取りの問題なので,それが信号の変調を経ていったいどのような状態を引き起こしているのか,という問題に帰着します。
    現時点では,良好なピットはジッター値を低減する,という理解のようですが,果たしてそれが正しいのかは分かりません。

    考えるだけならただですから,色々と考察されてみると面白いと思います。

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  16. 通りすがり

    バイナリが一致すると言うことは、単純にCDプレイヤーのピックアップが
    雑な作りになってると言うことですかね。
    できましたら、両メディアのCDプレーヤーの出力波形と
    CDドライブ経由した場合の出力波形を比較してもらえると、原因が
    どこにあるのか?判断しやすいですね。

    返信
  17. えるえむ

    通りすがりさん,コメントありがとうございます^^

    拙宅にはCDプレーヤー自体がありませんのでなんともいえませんが,一般的には同じCDのデータはバイナリ的に同一でなければおかしいですね。素材の違いでバイナリが変化するといったことはあり得ません。
    ですから,CDPだろうがPC用ドライブだろうが,バイナリの読み込みで違いがあるわけではないということになります。

    そこで,SHM-CDはバイナリ的には通常CDと変わるところはないが,それでも音が変化して聞こえるのならば,何か違う理由がないか探ってみる,という姿勢で臨めばいいとおもいます。
    もちろん,まずは理想状態と仮定して議論を進め,理想にない状況を考慮していく姿勢が必要だとはおもいますが…。

    あと,出力波形をどのように比較するのかをもう少し具体的にしていただけると助かります。
    “CDプレーヤー”の出力波形というとアナログ波形になりますし,“CDドライブ”直後の波形はRF変調していないものなので全然違う波形になってしまうのですが,どのように致しましょう?
    もしかして,PC用CD-Rドライブと市販CDPで比較して欲しいということでしょうか。おそらくS/PDIFのデータはバイナリ的には一致するとおもいます。

    こうした問題は,バイナリの議論だけでは解き明かせないので,デジタルオーディオの世界では盛んにクロックジッターについて検討がなされています。クロックジッターとCDの状態の関係を解き明かすことが出来れば,とてもエキサイティングでしょうね。

    個人的には,もう少しデジタルドメインのみでやる方法がないかなと検討中です。

    返信

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