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周波数精度とジッター

 FIDELIXの中川さんがジッターについて解説されていますので,ご紹介。

http://www.fidelix.jp/technology/jitter.html

 やはり周波数精度は関係ないというご見解のようです。水晶発振器の電源の作り方を含めた解説というのはあまりありませんでしたので,クロックにご関心のある方は是非ご一読ください。

 以前山本さんのサイトをご紹介した時にも,発振器と電源を共通するパーツの影響を発振器がもろに受けているのではないかという見解をご紹介しましたが,やはりクロック用電源は吟味する必要がありそうですね。

 それにしても,かなり入念に調整されたクロック波形ですねぇ…。あ,あれに使えるな…。気づくのが遅かった…。とりあえず予約だけしておくか…。

理想的なリッピング方法を検討してみる 2枚目

 今回のリッピング手法の発想は,出来る限りRAM上でCD-DAをWAVに変えてしまう,というものです。

▼必要な環境
○できれば8GB分のメモリ
 CDを丸ごとイメージ化するので,イメージ丸ごとで700MB,分割したファイルで700MB,最低でも合計1.4GBほどの領域が必要になります。
 ただし,個人的な印象では,メモリは詰めば詰むほど音が曇って,いわゆるノイズの影響をもろに受けた音になります。1Gと8Gで比較試聴されてみるとよいでしょう。この問題もあるので,拙宅ではリッピングマシンとトランスポートは別個独立した環境となっています。

▼手順
○RAMDISKの領域を作る
 インストールは各ソフトのインストールガイドに従ってあらかじめ済ませておいてください。設定も同様に環境に依存しますので,適宜設定してください。拙宅の場合,4.7GBがRAMDISK領域で,そのうちOS上で自由に使えるのは2.5GB程度です。
○仮想イメージ作成ソフトを作る
 インストールは各ソフトのインストールガイドに従ってあらかじめ済ませておいてください。保存先はRAMDISK上の領域にしましょう。
○仮想ドライブにマウントする
 インストールは各ソフトのインストールガイドに従ってあらかじめ済ませておいてください。
○リッピングする
 RAMDISK上にあるCDイメージをEACで読み込みます。この場合,ギャップは読めませんのでご注意を。トラック毎に正確なコピーを志向する方には向かない手法です。
 イメージは随時分割する形でよいでしょう。

 以上で終了です。細かい手法についてはいろいろなパターンを検討しましたが,おそらくかなり平均的にベターな結果が得られるパターンではないかと思います。あ,念のため申し上げておきますが,バイナリはどのような形であれ同じになります(比較しました)。かなりプラセボ度合いの高い話だとご理解ください。
 試された皆さんのご感想をお待ちしております。

理想的なリッピング方法を検討してみる 1枚目

 以前(数ヶ月前?)から理想的なリッピング条件というものがないか検討したことがあり,PCオーディオを探求されているオーディオ仲間の方との会話の中でふと思いついた手法を試しています。現状ではもっともよい手法ではないかと思いますが,聴感上好ましい/好ましくないの判断でしかない部分もありますので,皆さん是非お試しください。

 正直,非常に面倒臭い手法です…(爆)。それではいってみましょう!

▼必要なソフト
○仮想CDイメージ作成ソフト
 CDをイメージ化するソフトが必要です。お勧めはClone CDですが,バージョンにより色々と動作が異なるようです(この時点で既に悲惨)。
○仮想CDドライバ
 仮想CDをPC上に構築できるソフトです。代表的なものとしてはDaemontools Liteがありますが,これもお好きなものをどうぞ。
○リッピングソフト
 どのソフトでも構いませんが,フリーソフトではExact Audio Copyがベターかと思います。
○RAMDISKドライバ
 PCオーディオで最初にRAMDISKドライバを使い始めた方々の間では比較的有償のソフトを使われる傾向がありますが,私はXPマシンなので,XPでもOS管理外領域をRAMDISK化できることで有名なGavotte Ramdiskを使っています。これもお好きなものをどうぞ。

 結局のところ,CDを丸ごとイメージ化できるソフト,リッピングソフト,仮想CDドライバ,RAMDISKドライバ,の4種類について,好きなものを適宜選択することになりますので,組み合わせは無数にあります。お勧めの組み合わせがあれば是非ご連絡ください。

■ 長くなりそうですので,今回は前後編となります(汗)。これらをどのように組み合わせるか,勘の鋭い方であればおわかりになったと思いますので,先行して検証されてみるのもよいでしょう。

ピットジッターとクロックジッター 7ps

▼改めて,正面から理由を示す大切さについて
 これまで,CDとCD-Rとの比較に限った話であれば,プレスか色素かという見た目の違いがありますので,「音が違うかもしれない」というイメージを持ちやすく,CD-RはCDのコピー品に過ぎないので,何かしら劣るだろうというイメージも手伝って,とりあえず音はちがいそう…ということで,音が違う理由をあやふやにしていても,なんとかイメージ戦略で売ることができました。

 しかし,高品質素材CDと通常CDの比較はそうはいきません。ピットジッターや反射率が違うという状況はCD-Rとの比較と共通とはいえ,これらはどちらも「プレスCD」です。当然,一般的には「同じ音がするはずという」イメージを持たれやすく,CD-Rの場合と状況が異なっているように思われます。

 ましてや,現在はオーディオに興味が無くてもある程度自由にPCを操作できる能力があれば,データを計測することはできるわけですから,家庭でお手軽に比較できる検証で疑問を持たれてしまうレベルの説明にとどまっている状況は,害悪のほうが大きいように思います。
 これは業界の売り方の下手さも手伝っているとは思いますが,実際のところ,少なくともweb上では高品質素材CDについて疑問視する見解が多いようです(特に従来オーディオに関心のない層)。これでは,誠実に光ディスクの品質を追求されている現場の方が報われません。

 もちろん,山本さんもご指摘の通り,20年前の時点でのCD規格は非常に高度な技術の結晶であったように思いますし,良く練られたロジックで一定の品質を広く提供することが可能だったからこそ,全世界に普及したものだとおもいます。
 かないまるさんがデジタル信号もアナログ波形で伝送されているということをおっしゃって以来,デジタルもジッターで音が変わるのだということが一部の方には認知されてきましたが,だからといって何でも有りというのは思考停止以外の何者でもありません(この点はkittさんもご指摘になっていますね)。
 変わる変わると強調しすぎることは,如何に技術的に変わらないように規格策定に携わった方々が努力されたのかということを軽視する風潮に繋がります。見方を変えれば,音が変わらない(変わりにくい)ということは,素晴らしいことです。

▼最後に
 以上,ピットジッター関連の話題について書かせていただきました。
 プレスメーカー各社は,現時点で最高の品質を届けるために,CD規格の現実的課題を指摘して(これだけで規格そのもののすばらしさを讃えることになります),これを克服する(もしくは対処する)方法を提供すると自信を持ってアピールされるべきだと思います。
 そうした姿勢が,長期的には技術への信頼に繋がり,結果消費者も生産者もメリットを享受することになるのではないでしょうか。

 一連のピットジッターがらみの話題は一旦おわりとさせていただきます。私も勉強中の身ですから,不足のある部分も多々あるかとはおもいますので,至らぬ点はご指摘いただければ幸いです。

 長文をお読みいただき,誠にありがとうございました。

ピットジッターとクロックジッター 6ps

 今回は,前回までのピットジッターがクロックジッターの増加に多少影響し,電源にノイズ成分を載せてしまうことを前提として,PCオーディオ的にこれをどうやって対策するのかを考えてみたいと思います。

▼予備知識
 まずは下記の過去ログをご覧ください。
http://www.spatiality.jp/modules/papc_research/index.php?content_id=3
http://www.spatiality.jp/modules/papc_research/index.php?content_id=4
http://www.spatiality.jp/modules/papc_research/index.php?content_id=5
http://www.spatiality.jp/wordpress/index.php?p=572
http://www.spatiality.jp/wordpress/index.php?p=573
http://www.spatiality.jp/wordpress/index.php?p=574

▼PCオーディオ的ピットジッター対策
 PCオーディオにおいても,CDからデータを直接読み出すことによる方式ならば,以下のようなデメリットが考えられます。

○振動によるピックアップ条件の悪化(I/Oレイテンシの問題)
 これはHDDでも同様にあり得るわけですが,CDを読み出すときのデメリットに比べたら微々たるものでしょう。
○ピットジッター増大による電源へのノイズ混入
 オーディオインターフェースを内蔵する方式であれば,特に電源へのノイズ混入は結果的にS/PDIF出力の品質を下げかねないので問題となるでしょう。外付け方式も結局は電気的に結合されていますので,ノイズの混入は留意すべきでしょう。
 トランスポートとしてPCを使う場合はこの問題は比較的軽減されるでしょうが,電源に載るノイズがクロックジッターを増加させる原因と考えられるのは明らかでしょう。

 こうした問題は,CDからピックアップを通じてデータを随時読み出す方式の原理的な問題点ですから,これをなるべく解決するには,HDDにデータをリッピングして格納する他ありません。
 もちろん,その結果出てくる音が好きか嫌いかは別の問題で,ジッターが増えるかもしれない方式のほうが好きだという人がいても不思議ではありません。例えばDACの場合,ジッター値の低さだけならインターナルクロックを使った方が低い場合もあります。

 結局,ピットジッターの影響を原理的に無くすには,リッピング方式を採らざるを得ないということです。

▼PCオーディオ的クロックジッター対策
 PCオーディオにおいて,伝送時のクロックジッターを解決する方法はデータとクロックを一緒に送らないということに尽きます。つまり,データをS/PDIFやAES/EBUで送らないということです。加えて,データを受け取った先で即D/A変換するのが理想ですね。
 これが可能なもので,かつ日本で代理店から購入可能な製品は,LINNのDSシリーズと,AyreのQB-9だけです。前者はLANでパケット送信をすることで伝送時のジッターの問題を解決し,後者はUSBのデータ通信を非同期に行うことで解決しました。QB-9は加えて電気信号を光信号に一旦変換して電気的にアイソレーションを行うので,PCからのノイズの回り込みも防ごうとしているようです。

 QB-9の詳細については,AXISSのサイトで近日公開されると思いますので,公開されましたら,再度取り上げたいと思いますが,OS上からはUSB-Audioとして認識されるので,ファイルフォーマットの上限は24bit/96kHzを上限としたPCM系フォーマットであれば,圧縮/非圧縮は問わないようです。
 あとは,カーネルミキサーをバイパスするように,カーネルストリーミング等で再生出来るソフトを使えば,Windowsで恐ろしいバイナリ不一致の罠も回避できそうですから,期待大ですね。

 というわけで,終わるはずだったピットジッターの話ですが,1回分増えてしまいましたw

 一応次回でまとめますが,発展的にPC上での理想的なリッピング方法について近々に検討してみたいと思います。