タグ別アーカイブ: 製品情報

SFORZATO DST-01ついに販売

今回のハイエンドショウ(10日まで開催中)で個人的に注目した製品をいくつか速報形式でご紹介する予定です。トップバッターはこちら。

▼SFORZATO(スフォルツァート)のネットワークオーディオトランスポート(!)DST-01がついに販売になるようです。


http://www.sfz.co.jp/products1.html

来月11月から販売開始,定価60万円(税抜き)ということで,期待大ですね。画像はavcatさんからお借りしました。
今回お話を伺って興味深かったことをまとめてみました。

  • 10MHz OCXOをマスタークロックとして内蔵している
  • 10MHzを超低ジッターICをつかったPLLで分周
  • 10MHz入力端子を増設してRbやGPSと直接同期させることも可能
  • 内蔵クロックに自信があるのでWordsyncのマスターになれるようにClockOutとClockInを切り替えられるようにしてある
  • 組立は自社で行っているので,ある程度背面端子のカスタマイズは可能。たとえばRCAをBNCに変更とか
  • 電源は三端子によるシリーズ電源。電解コンは15000μFの低頭のものを使用

ジッター値の測定についてはStereophile形式のAPの測定器を使ったものを推薦しておきました。採用されると良いですね(笑)。ジッターの測定法もいくつもあることをご存じだったようで,しっかり研究されているなと思いました。

ぶっちゃけ最近では一番物欲刺激されていますw DAC生かせるっていうのがいい!DACは自分の好きな音色のものを使いたい!SDIF2出せるように出来ないか相談してみようかな…。

オーディオデザイン製直流安定化電源(特注品) 販売開始!

 この度,Theme:Spatiality では,オーディオデザイン製直流安定化電源を企画・販売(共同購入)いたします。

▼企画の背景
 ネットワークオーディオを楽しまれている方のなかには,HUB やルータで音が変わる,NAS で音が変わるなんてご経験をされた方もいらっしゃるとおもいます。ただ,これらはほぼ例外なくスイッチング方式の電源で,特にAC アダプタを使ったものが大多数を占めます。
 世の中にはAC アダプタを使うオーディオ機器がたくさんあり,実験用安定化電源であればたくさんあるのに,なぜかピュアオーディオに特化した安定化電源がない!ということに気づいたのは,PC オーディオを始めてからでした。

 リファレンス・基準となり得る電源が欲しい。独自の理論で音が良いとただ宣伝するものではなく,技術的背景を持った本当に良いピュアオーディオ用電源が欲しい。そして,できることなら,いつでも高品位な安定化電源が市場で調達可能で,これをきっかけにオーディオの楽しさを知る人が一人でも増えて欲しい。
 こうした想いから,オーディオデザインに安定化電源を作っていただこう!と思い立ったのが今年の春のことです。そして,この度拙サイトにて,オーディオデザイン製直流安定化電源(DCA-5V,DCA-12V)を共同購入形態にて先行販売する運びとなりました。

※ 本企画や直流安定化電源(DCA-5V,DCA-12V)に関する一切のご質問は,拙サイトお問い合わせよりお願いいたします。オーディオデザイン様には直接お問い合わせなさらないよう,お願い申し上げます。

▼(有)オーディオデザインのご紹介
 オーディオデザインは最近雑誌にアンプが取り上げられる機会も増えてきていますので,ご存じの方もいらっしゃるとおもいますが,オーディオ用アンプや高品質セレクターの設計・製造を行っている国内メーカーです。
 確かな技術力とそれを裏付ける測定結果,実証的なアプローチを欠かさないメーカーであり,BLOG の内容も,オーディオデザイン社製品が技術力に裏付けられていることを伺わせるものです。詳細は(有)オーディオデザインのWeb サイトをご覧ください。
 なお,オーディオデザイン製プリアンプDCP-F105ATT はオーディオ銘機賞2010(音元出版主催)を受賞しています。また,プリアンプDCP-F105ATTとパワーアンプDCPW-100が『MJ無線と実験』誌(誠文堂新光社)の「テクノロジー・オブ・ザ・イアー」を受賞しています。

▼FAQ
○この直流安定化電源は特注品ですか?
今回の直流安定化電源は特注品としてお願いしたものです。設計から製造まで全てオーディオデザインで行い,PSE取得済みです。なお,今後の特注品制作の申し込みは受諾できないとの事です。
○後で今回の共同購入後、オーディオデザインに同じものを注文できますか?
できません。
○今後この直流安定化電源がオーディオデザインから販売されることはありますか?
現在のところありません。また将来仮にあったとしても価格は今回よりも高くなるでしょうとのことです。
○共同購入形態って何ですか?
当方がとりまとめ役となり共同購入者を募って一括で発注することを条件に,オーディオデザインに直流安定化電源を製造していただきます。
○価格が高いような・・・
今回の電源はアナログ式で専用安定化電源回路を組むことによって通常の3 端子レギュレータなどよりもノイズをかなり低減しています。開発にかなりの工数を割いているので必然的にこうなってしまうそうです。
○DCA-12VはRME Fireface400でも使えますか?
ケーブルを自作していただければ接続は可能です。ただし,カタログスペック上動作すると思われるだけです(FF400の12ボルト動作電圧での電流910 mA)。他の機器との相性、他機器の故障・不具合らは保証の範囲外です。

▼直流安定化電源の仕様
型名:DCA-5V
定格出力:5V
定格電流:1A
ノイズ:0.02mVrms(1MHzBW)
特徴:低ノイズのアナログ式直流安定化電源です。トロイダルトランス、安定化電源回路、からなり、保護回路(1.3A 以上で動作)を内蔵しています。
出力端子:DC ジャック Φ5.5x2.1mm
外形: アルミサッシケース110x62x200mm(WxHxD)、1.2Kg
付属品:DC コネクター(Φ5.5x2.1mm)x2、40cm 接続ケーブル(NS-D1 に接続可能です。) AC ケーブル

型名:DCA-12V
定格出力:12V
定格電流:1A
ノイズ:0.05mVrms(1MHzBW)
特徴:低ノイズのアナログ式直流安定化電源です。トロイダルトランス、安定化電源回路、からなり、保護回路(1.3A 以上で動作)を内蔵しています。
出力端子:MINI・DIN3P コネクター
外形: アルミサッシケース110x62x200mm(WxHxD)、1.2Kg
付属品:MINI・DIN3P コネクターx2、40cm 接続ケーブル(Wadia 170 iTransport に接続可能です。) AC ケーブル

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 画像はプロトタイプのものです。製品版はシールではなくレタリングされたものになります。また,Powerランプのみとなっていますが,製品版はオーバーロード警告用ランプがフロントパネルに追加されます。

▼価格・支払い方法等
【価格と保証等】
○ DCA-5V,DCA-12V ともに,価格:30,000 円(税込、国内送料含む)
○保証期間:1 年
○保証条件:原則としてオーディオデザイン保証規定に準じます。
○次の場合は,保証期間内でも保証が受けられません。(1)筐体を開封した場合,(2)購入者以外の方に譲渡した場合
○修理依頼はオーディデザインに直接ご連絡ください。
○5VDC・12VDC の電源としての動作は保証されますが、他の機器との

LINNがSACD/CDプレーヤーの生産を年内で終了すると発表

 ちょっと一休みして,PCオーディオがらみのニュースについて。LINNがついにSACD/CDPの生産を終了するようです。

http://www.stereosound.co.jp/hivi/detail/newsheadline_3913.html

http://www.phileweb.com/news/audio/200911/20/9547.html

LINNは、ワールドワイドで、2009年度のCDプレーヤーの売り上げが4割減った一方、DSプレーヤーの売り上げは逆に4割上がったと説明。これに伴い、DSプレーヤーの売り上げが全体の3割を占めることになったという。
日本国内はさらにCDプレーヤーの落ち込みが激しい。2009年度のCDプレーヤーの売り上げは前年度比7割減で、2007年度比では実に9割減となったという。一方で、発売から2年が経過したDSプレーヤーの売り上げは、1年目の75%増となっている。

 恐ろしいばかりのプレーヤーの売れなさですね。まぁ,LINN製品の売れ行きの動向はかなりLINN JAPANとSound Createがコントロールしている感がありますから,当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが…。

 まぁ,これだけ違いがあれば中規模オーディオメーカーであるLINNとしては舵取りをせざるを得ないでしょう。
 それにしても,ハイエンドなDLNA対応プレーヤーを日本のメーカーが率先して展開できなかったことが残念ですね。まぁ,きっと今でもPCは音が悪いからっていうノリでそのまま変わらないんでしょうけれども。あとはDLNAで作る気がしないとか,自社規格で囲い込みできないからやらないとか。

 しかし,SACDも捨ててしまうというのが思い切りがよいとおもいます。実際,微妙なものが多すぎるSACDソフトを聴くより,センスの良いCDを聴く方が投資効率が良いのは確かですし,ましてや出回っている音楽ソフトの母数が違いすぎます。そもそも,未来永劫同じ規格に縛られる必要はないのですから,現段階ではデジタルオーディオのファイルフォーマットを再生できるネットワークオーディオに注力するという判断は誤りであるとは思えません。
 というわけで,今後のLINNの活動に注目ですね。日本のDSシリーズの価格設定は高すぎると思いますが,こちらもいつになったら是正されるのかも気になるところです。他社との競争にならない限りはずっとこのままだったりしてw

【音展2009】 キューテック「FORS system」の設計思想に迫る

 さて,前回はクロックの世界からデジタルオーディオを見つめ直したTADの製品をご紹介しましたが,今回は打って変わってバイナリ(?)方面からのアプローチによるキューテックのFORS systemのご紹介です。

プレスリリース(PDF) 
Philewebの記事

 今回は,プロジェクト・リーダーである同社企画営業部の小池俊久氏にお話を伺うことができました。まず,FORSシステムは,以下の5つの手法により,総合的に高品位な信号の記録・保存をするものだそうで,すべて必要不可欠な要素のようです。

○ FORS Sound Processor使用による原信号高品位転送
○ FORS Hi-Definition Master Clockによる基準信号の高精度化
○ Audio&Video Signal Cableの高規格・高品位化
○ FORS Hi-Definition Storagerによるファイルの高品位化
○ FORS専用 Hi-Quality Authoring&Encode Systemの使用

 そのなかで,今回は,FORS Sound ProcessorとFORS Hi-Definition Storagerについてお話を伺うことができました。

▼FORS Sound Processorって何?
 音展に展示してあったものは2ch用のプロセッサーでして,ヘッドホンでプロセッサーの有無を聞き比べができるようになっていました。
 詳細は企業秘密とのことですが,アナログ的な手法によりデジタル信号の波形をきれいにする,具体的には,波形の立ち上がり・立ち下がりを整えるもののようです。小池氏によれば,回路としてはシンプルだが,これを利用することを思いつくこと自体がノウハウであるとのことでした。
 興味深いのは,波形そのものは変化するが,バイナリ的に改変を加えるものではない(もちろんジッター的に変化するものでもない)ということを強調されていた点ですね。イメージとしては,伝送過程で劣化した波形をきれいにするものということで,私の勝手な憶測ですとアイソレーターのようなものかもしれません。

 入出力は,AES/EBU1系統,S/PDIF1系統のみのシンプルな構成です。たとえば本機のみをWordsyncなしで運用すれば,ジッター的観点からも音は変化しうると思いますが,FORSシステムの場合はRbでWordsyncをしますので,理論的にはジッターには影響しない運用形態となります。

▼FORS Hi-Definition Storagerって何?
 音展では,web上の媒体では未公開だった本機の内部が公開されていました。
 中身としては,ノイズフィルター付インレットプラグ→特注銅板シールド仕様Rコアトランス→SBD→大型電解コンデンサ→メタルキャンタイプのパワートランジスタ,といった安定化電源部と,ホットスワップ対応のI/Oコネクタ部,HDDマウンタ付きHDDという構成で,エンスーなPCオーディオと親和性が非常に高いマニアックな作り込みがなされていました。筐体にも相当コストをかけているようで,興味深かったです。

 このあたりから,小池氏のこだわりが炸裂し始めまして,「XXXは音が悪い,特にXXXXXXXのXXXは最悪」,「XXXの音が悪いのはXXXXXXXが駄目だから」,「本当はXXXXのXXXがいいんだけど,入手性が悪いからXXXXを使っている」,「XXXはXXXXXのものに限る」,「XXXは1度書き込みをしたらもう消さない。仮に上書きする場合には,X回XXXXXXする」など,PCオーディオをされている方なら色々と参考になる発言のオンパレードに(笑)。
 現在私が悩んでいる問題についても,示唆に富むお話をお伺いすることができました。

 感心したのは,それだけやっても,Storager自体で波形レベルで変化があるわけではなかったと率直にお認めになったことでしょうか。ただし,それでも音は変わると力強く断言されていたのが印象的でした。ここまでHDDのストレージにこだわっているのは,個人でも法人でもうちだけだろうという自信に溢れてらっしゃいましたね。

▼無理矢理頼めば販売も??
 こういった数値化が難しいマニアの拘りの塊であって,一般的には企業としてあまり稟議が通るとは思えないものが通ってしまったあたり,小池氏の並々ならぬ情熱を感じます。今後も意欲的に環境改善に取り組んでいただきたいですね。
 FORS Sound Processorですが,強い要望があれば一般販売も検討するとのことでした。ただしお値段はかなりのものになるようです…。ご関心のある方は問い合わせてはいかがでしょうか。

【音展2009】 TAD-D600の設計思想に迫る

初めて秋葉原での開催となった国内メーカー主導の音響系イベント,音展に足を運んでみました。今回非常に印象深かったのは,音はさておき,開発者と直接話ができることの貴重さです。

音響機器について勉強すればするほど,本当に熱心(マニアック)な技術者の方でしたら色々と知識や経験を親身になって教えてくださいます。というわけで,個人的に印象深かった,TADとキューテックについて,複数回にわたりコメントしておきたいと思います。
ただし,伝聞かつ私の解釈が入っていますので,内容の正確性は担保しません。画像はavcat様よりお借りしました。いつもありがとうございます。

まずはTADから参りましょう!

■ TAD TAD-D600を発表。(Philewebの記事

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【オーディオが好きなスタッフ陣】
TADブースのスタッフの方はどなたもとてもオーディオという趣味について大変熱心な方が多かったように思います。私がたまたま最初に声をかけたチーフストラテジー&テクノロジーオフィサーの高木一範氏は,D600について大変うれしそうにお話されていたのが印象的でした。まるで我が子のようなかわいがり方とでもいうのでしょうか。製品として発表することができて本当に嬉しそうでしたね。
私が色々とお伺いしているうちにデモの時間になってしまったため,わざわざD600を設計された方を呼んでくださいまして,ブースの外でさらに色々とお話させていただくことができました。設計者の方は非常にお若いんですよ…。30代前半?といった印象で,非常に熱心な方でした。

【クロックに恐ろしく注力した設計コンセプト】
▼超高C/NマスタークロックUPCGとは!?
TADブースにはD600の構成パーツについて写真が掲げられていましたが,UPCGというものは見た目普通のOCXOに見えます。恐ろしく低ノイズなD600のC/Nの値(スプリアス特性とも言います)のグラフを見る限りでも,これは(私の知っている)Rb(ルビジウム)では厳しいかな?という印象でした。

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C/Nの図の読み取り方ですが,ある時間においてある周波数の信号を出力したとして,本来出力したかった周波数以外の成分がどの程度含まれているのかを,周波数ごとに表したグラフとなります。全帯域に渡って値が少ない方がより正確な波形出力品質となります。0Hzに近いほど雑音の量が多くなるのが一般的です。

ちなみに,UPCGがどのくらいノイズが少ないかというと,100Hzオフセットでセキテクノトロン取り扱いのSRS社のPRS10(標準品)より10dBもノイズが少なく,EsotericのG0Rbで使われていた東洋のRbよりももちろん低かったはず(資料紛失w)。UPCGは100Hz以降の帯域はすべて-150dB以下を達成という恐ろしい低ノイズぶりです。もちろんもっとも重要であろう1Hzオフセットの値も当然低ノイズですね。

これくらいの低ノイズを出せるOCXOですと,本当に数えられるほどに限られます。欧州の某社製品とか…。余談ですが,某社の話題で設計者の方と盛り上がりましたw

ところが,このUPCGというものは発振器メーカーと共同開発した特殊な角度でカットした常温で動作する水晶発振器だそうです。設計者の方は,できれば既存の発振器の分類法では分類してほしくないとおっしゃっていました。

たとえば,通常TCXOよりOCXOのほうが周波数安定度が高く,低位相雑音であるとされます。また,一般的なオーブンコントロールの場合,おおよそ80度程度まで水晶を暖めて特性を安定させます。Rbクロックの場合はランプでRbを加熱することで特性を保ちます(ランプが切れたら寿命)。
しかし,TADにおいては,オーブンのオンオフのタイミングで生じる電源回路に与える電気的な衝撃,およびオーブンユニットそのものが発する熱雑音の影響を検討した結果,オーブンユニットは避けるべきという結論に達したようです。

また,目標が10年後も安定稼働するプレーヤーを,というものだったそうで,長期間の使用が見込めない問題と熱雑音の問題をクリアできないRbクロックは採用を見送ったとのことでした。

▼UPCGを最大限に生かし切る!
しかし,水晶発振器の性能が高ければそれでよいというわけではありません。これが内蔵されており,DAC用クロック(マスタークロック)として動作することが画期的なのです。しかも,伊達に超低ノイズをうたう(しかも測定結果を公開する!)のにはわけがあります。

○発振周波数をCD・SACD規格にあわせて設計
通常,水晶発振器は高い周波数で発振します。おおよそ12MHz?16MHz台といったところでしょうか。また,OCXOやRbなどは通常10MHzで発振します。
しかし,上記の構成で一般に使われる発振器ですと,44.1kHzの公倍数ではないので,PLLやDDSを用いてクロック信号を生成する必要があり,この時点でジッター値が増大するという問題が不可避でした。
そこで,D600では,CD規格に親和性の高い周波数で発振するようにUPCGを設計したそうで,UPCGの極めて低ノイズ・低ジッターな性能をそのまま生かす設計としたとのことでした。

○独立電源部構成
皆さん,独立電源部構成といわれて,どんなものだと想像されますか?
通常はDCケーブルが1本でているわけですが,D600は2本のDCケーブルで本体部に給電しています。ここで,ハイエンドオーディオに親しい方は,デジタル部とアナログ部を分離して給電しているのだろうと想像されることでしょう。私もそう思っておりました。

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しかし,D600は違います。なんと,クロック部とそれ以外にわけて給電しているのです。クロック部はシールド処理された専用のトロイダルコアトランス,専用の電源回路を経由して,別のDCケーブルでマスタークロックを動作させます。
このような電源構成になったのは,電源部の品質がC/Nに影響してしまうからだそうです。クロックにこだわりを持つオーディオファンの方は電源を変更すると音が変化することを経験的にご存じだと思いますが,そのあたりもC/Nを基準にすると変化を目で確かめることができるかもしれません。

以上見てきたように,TAD D-600は大変設計思想的に優れた製品であり,日本の技術力を再評価するきっかけとなる製品だと思います。興味を持たれた方は是非試聴されてみてはいかがでしょうか。設計思想だけが先走った製品ではなく,安定したバランスの非常に充実した音がするプレーヤーですので,最近のCDPは薄っぺらい音がするとお悩みの方に特にお薦めできそうです。