自分を知りコンセプトを決定する

おすすめは「最初はやれる範囲から。欲が出ればどんどん突き詰めていく」というアプローチです。ポイントは,最初にあまり欲張らないこと,貴方のライフスタイル,音楽との向き合い方を振り返ることです。

つまり,専用ルームで聴くのか,リビングで聴くのか,生活スタイルをどの程度妥協するのかをあらかじめ考えておくとよいでしょう。
趣味ですから,無理やりにする必要もありませんし,貴方自身の生活の質(QOL)が最大に感じられるような形で音楽を身近に楽しむことが,長く楽しめるコツではないでしょうか。

それこそ20畳,30畳のオーディオ専用ルームを持っている場合にはよいのですが(本当はこれはこれで悩ましいのですが),そういう環境にある人はそうそう多くないと思います。
逆に,最初からあまりに大規模なシステムを作ってしまうと,使いこなせないで宝の持ち腐れになることもありえます。スポーツカーを買っても運転がうまくなければ使いこなせないのと同様に,こだわりのあるコンポーネントはきちんと使いこなしを考えていくほうが良い音が出やすいでしょう。
わたしは,これまで多くの方と交流していくなかで,オーディオ機器もある程度使いこなしに場数が必要だと感じるようになりました。
最初からハイエンドオーディオといわれるような高級コンポーネントを買ってしまうと,機械に振り回されて本領を発揮させることができないこともあります。案外,「積み重ね」が大切な趣味といえましょう。

というわけで,まずは限られた環境でどのようにチャレンジするかということになりますが,その場合貴方は音楽をどのようなスタイルで聴いてきたのかを振り返ってみましょう。
たとえば,リビングで聴くオーディオの場合,一人暮らしならばかなり最適な環境になりますが,とことん突き詰めていくと生活スタイルをある程度犠牲にしないといけないかもしれません。

往々にして,高度な再生能力を有するシステムは大規模になりがちです。いくら予算があっても,維持できない(使いこなせない)のであれば本末転倒ですから,うまく折り合いをつけていくことが肝要です。実際に試聴してみて価格を超えて感銘を受けたものを購入すると失敗は少ないように思います。

なお,お店の店員さんに相談するにせよ,個人的に親しい人でオーディオに詳しい人に相談するにせよ,最も重要なことは以下のことを相手に伝えることです。

  • 予算
    アドバイスする側としては、予算が分からないと答えようがありません。要は,予算10万で11万の製品を薦めることはできても、予算がわからないのに製品を薦めたりはできない,ということです。
  • 今の環境
    良質な音楽再生には,ある程度守らなければならないセッティングのセオリーがあります。特にスピーカーの配置にはある程度制約があるので,物理的に設置可能なスペースについてあらかじめ相手に伝えておく方が良いでしょう。
  • 何が不満でどのような音にしたいのか
    オーディオコンポーネントにはそれぞれ音の個性がありますから,今の音質のどのあたりを改善したいのかをはっきりさせておくと,相手が組み合わせを示しやすくなります。また,可能であれば音の好みについて,大事にしているところを説明できるととても良いでしょう。