iBasso / fi.Quest (eruemu Edition)

http://www31.atwiki.jp/p3c-project/

OhOPAMPYAcさん企画の最強改造母機製造プロジェクトにより誕生したヘビーデューティー仕様のポータブルヘッドホンアンプ「fi.Q」の特注改造品です。
fi.Qはカスタムオーダー前提ということだそうで,1期製造分では各人の改造を前提としたシンプルな構成,2期製造分では1期で得られた人気の組み合わせも提供されるようですね。基本的にはカスタムイヤホンの発想というか,カスタム製作が基本のようで,OhOPAMPYAcさんと直接面識があり音質傾向の要望を伝えることができれば,特注に応じて頂けます。

eruemu Edition Rev.A

個人的に依頼して私が狙いたい音質傾向をお伝えしての特注仕様で作って頂いたものなのですが,私自身どこを改造して頂いたのかよくわかっていません…(笑)。音は当たり前ですが好みの路線ですね。私の依頼通りに作って頂いているので,評価しにくいことこの上ない感じです(苦笑)。
最低域は若干量感が足りない傾向で,今後改善の余地はあるかなと思いますが,情報量,分解能,ダイナミックレンジなど,オーディオ的観点ではどの項目もトップクラスだと思います。特に中域が薄っぺらくドンシャリ傾向になるのは避けたかったので,その点も含めてうまく調整してくださったOhOPAMPYAcさんのセンスには脱帽です。

大きさや重さはちょっと凄いものがありますが,どうせ身につけるなら何が何でも持ち歩きたいと思えるくらいのクオリティのものを使いたいですからね。良い買い物をさせて頂いたと思っています。
改造前と改造後の変化はすさまじい物がありました。

現在2期販売が計画中ということで,興味のある方は定期的に公式サイトの方をチェックしてみて下さい。ノーマルバージョンももちろん良いですが,改造品は素晴らしいので,2期で購入される方であまり電子工作が特でない方は最初から改造してあるものを購入されることを強く薦めます。

改造前,1期ノーマル仕様

▼使い勝手等
○ACアダプタは巨大&重いが,本体は思ったほどでもない
これはたぶんトランス式ACアダプタですね。2000mAてw fi.QはACアダプタが恐ろしく重いせいで,むしろ本体は軽く感じられます。手で持つと確かにP3c本体も重めではありますが,持てないということもないですし,通常は腰のポーチとかバッグとかにいれるでしょうから,実用上は問題ないでしょう。

○残留ノイズは私にとっては許容範囲内
IE-40で聴く限り,P3c量産タイプの残留ノイズは若干ありますが,気にならないレベルですね。あってもノイズの周波数分布が高くない感じ。まぁ,私はAyreの残留ノイズすら気にならないですが(ぉ
ゲインは当たり前ですが,ゲインHIGHが最も残留ノイズが多く,IE-40だと気になります。MIDだと私は気にしないレベル,LOWですと一般的に問題ない(ノイズに敏感な方は無音時に気になるかも)レベルでしょう。
私の場合,あくまでポータブル機器としての評価ですから,残留ノイズそのものは移動中に音楽を聴く限りは殆ど問題にならない以上,さほど重要視しません。もちろん,微細なニュアンスが求められるクラシック音楽はポータブルではそもそも聴きませんし,Jazzも非常に限定された曲のみ聴きます。移動中はほとんどPOPSとか打ち込み系のハウス・エレクトロニカとかですね。
あ,もちろん音質を評価する際にはありとあらゆるジャンルを混ぜた評価用の曲を静かな室内で聴いておりますので,ご心配なく。

○ギャングエラーはほとんど無し
ギャングエラーは私にはわからないレベルですね。素晴らしい!余談ですが,わたくしセンター定位を病的に気にするのですが,P3cは恐ろしくセンター定位がしっかりしてます。今まで試聴したポータブルヘッドホンアンプの大半はどちらかによって聞こえていました…。これだけでも嬉しいw

○PowerLEDが非常にまぶしい
思わず,「うお!まぶしっ!」と言わざるを得ない感じの光り輝く白色LEDです。

▼音質傾向
とにかくバランスの良い音。中国製っぽくない質感の良さが光ります。中国製オーディオってどうにも音が全体的に薄くて重心が高めのサウンドになりがちですが,そういった印象はないです。このあたりは設計者であるコテ氏の手腕を感じさせます。
エージングもへったくれもないですが,早速ゲインとBASSブーストを組み合わせて試聴しました。個人的にはLOWよりMIDのほうが好みですね。音質がよいというよりも,音楽の表現の仕方が好き。リズム隊がよりリズミカルに感じられるからでしょうか。
LOW+BASS+3dB(1kHz以下)か,MID+BASS OFFが好きかなー。ただし,BASSをONにするとやはり曇った感じが若干します。個人的には低域が嘘でもいいから質量感(≠量感)とレンジがあるといいかな?。あとはリズム隊の躍動感かな。

【低域】
低域の量感はあまり感じられないタイプで,すっきりとしたサウンドが持ち味ですが,その分打ち込み系の低域(正確には中低域)は歯切れが良くていいと思います。立ち下がりの良さが低域の混濁感の少なさにつながっていますね。
【中域】
中域?中低域の楽器も遠くなることなく,太いとは言えませんが音痩せしている感じはありません。なかなか良いバランスではないかとおもいます。
【高域】
量産機は試作機(あと改造機)よりも音が若干柔らかい感じがしますね。歪み感は非常に少ない印象なので,このあたりが影響しているのかもしれません。特に高域のピーク感の無さはちょっと驚くべきレベルかと思います。耳に優しいな?と感じたポータブルヘッドホンアンプは初めてです。
【音像定位・音場】
ゲインMIDのときの音像定位の立体感はかなり好ましいです。ゲインLOWですとちょっとだけですが平面的になります。音像そのもののフォーカスは良好で,膨らむ印象はありません。魔改造バージョンは少々パルシブな方向に行きすぎているかな?という印象もあるのですが,ノーマルバージョンはそういった印象が全くないですね。
音場については比較的広めで,散漫な印象を受けないギリギリのラインかな?という気もします。ポータブルで出せる音場という意味では不満はないです。驚くほど広くはないけれども充分に広い音場といえるでしょう。

▼とりあえずのまとめ
到着してすぐの状態であることをお断りしたうえでの結論としては,音質的な観点であれば誰にでもこれを薦めて安心なレベルです。
ハイエンドオーディオをお使いの方なら,あと少し聴感上のS/N感を上げたいと思われるかもしれません。音像・音場の透明感というか。そこは改造モデルでうまく調整していきたいですね。