Qables / iQube V2SE

iPhone3GS+iQubeV2SE+IE-40のインプレ

▼iQube V2SE(ゲインLOW)のインプレ
(1)総じて上品だが地味なサウンド
(2)音場は狭め
(3)低域の立ち上がりは遅め,立ち下がりは早め
(4)低域にはあまり質量感はないが音階は正確
(5)中域?中低域はやせない
(6)定位感は普通
(7)音像の立体感が出にくい
(8)なんかフロアノイズも低いようには思えないが,それ以前に「ぽー」っていう音がするw
(9)音場は狭いが重層的な音像定位で前後感みたいなものは感じられる

世評と違うのはIE-40基準だからかもしれませんが,総じてボーカルが膨らみやすく,ボーカルの録音そのものの品質が微妙だとかなり悲惨なことになりそうな予感です。
付属のmini-miniケーブルでの試聴でしたので,やや厳しめの採点になりました。ケーブルにはきちんと反応します。どちらかというと銀線系より銅線系のケーブルとの相性が良いと思います。
なお,(8)のぽー音ですが, どうもiPhoneの出力に乗っている模様。他のアンプではあまり感じられないのですが,iQubeV2SEは露骨にでますね。恐るべし。

▼USBDAC機能を試してみる(ゲインLOW)。
○メインPC(自作デスクトップマシン)でUSBハブ経由の再生
全体的にきれ いめな音なのは共通のようですが,安定感のある音です。iQubeV2SE+WASAPI結構使える予感ですが,UMPCのほうがUSB周りのノイズ感が少ないようですね。やはりたくさんの機器がぶら下がってしまうメインPCと,iQubeのみがつながるUMPCでは,後者に分があるのかもしれません。
TransitUSB(Windows7+ASIO)+iQubeV2SE+IE-40ですと,「ぽー」音皆無。やはり中域?中低域にボリュームが感じら れます。全体的に地味系というか,スルメみたいな,噛めば噛むほど味わい深いアンプのようです。

○UMPC+iQube(USB)の再生
カーネルストリーミングドライバがiQubeV2SEを認識しなかったため,カーネルミキサー経由での再生となりました。ところが,これがものすごくいい(爆)。音場も広いし。伸びやかでストレスのない音です。これは使える…。しかし,バイナリ一致すら怪しいくせに…腹立つわーw
この経験からしても,PCのノイズ対策が聴感上は重要だということですね。ノイズ対策のアプローチ方法によってPCトラポの音がかなり違っているのも納得です。
なお,10ProだとiQubeV2の残留ノイズが気になるという話がありますが,むしろ送り出し機器の残留ノイズを増幅しちゃってる感があります。UMPCでのUSB接続だと,残留ノイズはほとんどわかりませんでした。

○A847との接続はどうか。
DAPに極めて敏感と思われるiQubeですので,A847とつなげてみました。確かにiPhoneよりA847のほうがノイズは少ないですし,安定したサウンドになります。ちょっとケーブルでの味付けが難しいのが難点ですが,単独ではやや閉塞感があり平面的な印象を受けるA847も,iQube経由では音場を感じられ,音像定位も把握できるようになりました。
個人的には,iQubeはiPhoneと組み合わせるのはあまりお薦め出来ないかなーという印象です。

▼HIGHゲインだとどう変わる?
前回の感想含め,以上のインプレはLOWゲインのときのものなのですが,HIGHゲインにすると,表情がかなり(良い意味で)変わるケースがあります。特にIE-40使用時には相当な変化がありました。
一番驚いたのは,上品で地味な,ともすればつまらない印象をもってしまう音調が,ダイナミックな表現もできるテンポの良い音調に変化したことです。LOW ゲインではマイナス方向に働いてしまった上品さも,HIGHゲインでは躍動感と上品さの両立という形で,むしろプラス評価になりました。ちょっとMUND ぽいかも?
そのほかの点も,総じてマイナス評価だった点が改善されており,iQubeV2SEは基本的にHIGHゲインで使うべきというの が,現時点での私の結論です。イヤホンだからLOWゲインにすべきと思ってHIGHゲインで使われたことがない方は,是非一度HIGHゲインで視聴されてみてはいかがでしょうか。

ちなみに,HIGHゲインでUSB接続をしてみたところ,やはり低域の力感とボーカルの押し出し感が違いますね。DAP接続と比べると差異は若干少なめな気もしますが,こちらもHIGHゲインのほうが個人的には好ましい結果でした。
なお,以前テストした際に,どうもUMPCにくらべてメインPCがいまいちだったのですが(WASAPI共有モード),どうもUSBHUBに何か別の機器がつ ながっているとかなりノイズを拾ってしまうようです。試しに,iQubeV2がつながっているUSBハブにつながっていたマルチメディアカードリーダー を抜いてみたところ,明らかにノイズが減りました(汗)。刺した瞬間にノイズが増えます。これはひどい…。
この例からも推測できるように,デスクトップへの接続だと,音数は多いのにS/Nはあまり良くない感じがしますね。聴感上ですが。このあたりがUMPCですとかなり改善されます。

○TF10に変更してみた。

実は,米AmazonでTF10を投げ売りしていた頃に安くFT10を手に入れることが出来たので,IE-40とTF10を比較することができたものの…。どう聞いても,TF10のほうが躍動感があって楽しい音です。OEMなので作りは同じはずですが…。うーむ。
というわけで,改めてiQubeにTF10をつなげて聴いてみました。iQubeにつないだ場合でも,以前Lowゲイン時に感じられたつまらなさみたいな印象はかなり改善されており,これなら常用できるという印象です。
もちろん,Highゲインのほうが特にボーカル帯域がダイレクトで鮮度が高く感じられるのと低域の力感に違いがある印象に違いはなく,ギャングエラーの問題さえなければHighゲインの方が楽しく聴けます。
ただ,以前に比べるとゲインの差は好みの差といっても過言ではないレベルに感じられ,興味深いです。つなぐイヤホンによって,評価がかなり変わるポータブル環境の恐ろしさを改めて実感しました。

▼iPadとデジタル接続してみた。
iPad自体力感の高いサウンドで,iPhoneやiPodとは比べるまでもなく高音質だと思いますが,カメラコネクションキット経由で音声データのデジタル出力が可能なので,iQubeにつなげてテストしてみました。
アナログ出力の時と同様力強く,かつキレのある非常によい音だとおもいます。個人的にはポータブル環境としてはトップクラスですね。ちょっと意外なのは,既に記憶の彼方とはいえ,S/N感はなんとなくUMPCのほうが上な気もする点でしょうか。
色々と道具をそろえるのが面倒ではありますが,一度聴いておくと勉強になると思います。個人的にはイヤホンではなくヘッドホンで試聴して見たいなと思わせるシステムでした。

▼まとめ
○広帯域すぎて,送り出し機器の影響をかなり受けることに注意。
○LOWゲインで使うなら他のアンプのほうがいい(コストパフォーマンスが悪い)。
○HIGHゲインで使うほうが良い場合多し!ハイエンドオーディオに通じる品位の高さを感じます。
○USBDAC機能が思いの外優秀。特にバッテリー駆動状態のノートPCにつなげると素晴らしいパフォーマンス。
○iPadとのデジタル接続も非常に良いです。ポータブルシステムの一つの完成型かと。