Panasonic / SA-XR50(改)

導入にあたり

サブシステムのR-K1000Nは非常にバランスよくどんな環境でも鳴るので,優等生タイプでそつなくこなす印象なのですが,反面おもしろみといいますか,オーディオ的醍醐味はないので,マニア心をくすぐる要素はあまりありません。
そこで,ちょっと前に話題になったPanasonicのXRシリーズに手を出してみることにしました。色々とお詳しい方に話を伺ったりして,XR50指名買いですw

PanasonicのSA-XR50はネットで話題になったXRシリーズのAVアンプの先駆け的存在です。実際に人気が出始めたのはXR55からで はないかとおもいますが,TIのデジタルアンプ用チップを使ったフルデジタルアンプとしては最も安価な部類でしょう。ちなみにTIのチップは入力された信 号を192kHzに変換してPWM変換かけます。
同じチップを使ったアンプにはTacTのフルデジタルアンプのシリーズがありますが,こちらはトランス式の電源を使っているのに対し,XRシリーズは全てスイッチング電源です。

気になる音質は?

さて,高級アンプキラーとして話題になったXRシリーズですが,個人的にはネットで褒められている程の音質ではないと思います。
帯域バランスは上よりで,確かにぱっと聴きの解像感といいますか,高域の抜けの良さみたいなものは印象に残りますが,中域があっさりしているのと,低域が軽いです。
個人的に特に致命的なのが低域ですね。周波数的な問題というより,聴感上の密度感,質量感,充実感の問題でしょうかね。どういうわけか空振りする感じです……。
うーむ。デジタルアンプ全般では確かにこういう低域の軽さは経験するところではありますが,特に軽い印象を受けました。

対策を施してみる

▼アイソレーショントランスを使ってみた。

アイソレーショントランスは容量にもよりますが,一般的には低域よりに音がシフトしていきます。とりあえず500VAのプライトロンのアイソレーショント ランスを使ってみましたが,これは当たりでした。1kVAくらいでもいいかもしれません。スイッチング電源の機器ですので,PC等のGNDの結合を減らす ためにも有用だと思います。理論的にはTOSでしたら不要な手当ではありますが,おそらく変化の傾向は同様だと思われます。このあたりは不思議なところで すね。効果はばっちりでした。きちんと低域に骨格感のようなものが。でもまだ不十分ですね。

▼Spケーブルを交換してみた。

もの凄くSpケーブルでキャラクターが変わることが判明しました。とりあえずCARDASは全くあわないですね。AVCTのほうがバランスが取れる感じで,このあたり面白いです。
AVCTのUT-1Qをちょっと工夫した新ケーブルのエージングもまだまだですが,結果は非常に良好のようです。低域は導体の経が細いので予想したほどには出てきませんでしたが,ボーカルが立体的に定位し,かつ奥に引っ込むこともなく大変好ましいですね。情報量大爆発といった感じでリラックスして聴くような音調ではないのですが。
低域に寄っていくような太めのケーブルを使ってみると低音域の量感が改善されるかもしれませんが,低域シフトのケーブルは全般的に高いので,今回は断念。NBSとか繋いでみたいなあw
でも,AVアンプに超高級電源ケーブルをおごってやると素晴らしい音になるという話も聞きますので,XR50は2Pのメガネ端子なのでなかなか難しいですが,案外ケーブルでキャラクターをコントロールするのはピュアオーディオ以上に有効かもしれません。

▼内部配線をいじってみた。

中高域あたりに,ノイズに起因するようなざらついた感じがしたので,どうせ保証もきれてるし中古品だしということで,蓋を開けて内部を鑑賞。
拙宅ではサブシステムとしてPCと直結なので,デジタル入力のみ生きていれば構わないわけですが,アナログ入力・アナログ出力が全てオフにできることを発 見!方法は簡単で,アナログボードから伸びている線のコネクタを外してしまうだけです。これも正解でした。すっきりして音の純度が上がりますね。

エラーコード等はでませんが,改造にあたりますので推奨しません。くれぐれもまねしないでください。

まぁ,とりあえずはこの二つである程度満足のいく形になりました。これ以上を求めると基板を改造しなければならないので,敷居が高いですね……。

まとめ

まぁ,正直なことを申し上げれば,素のまま使うのであればハイエンドオーディオに取り組まれている方が気にするような存在ではない気がします。ただし,素性は良いので,いじってみるとわりとおもしろいんじゃないかと思います。なお,内部をいじるのは相当の回路の理解(データシートが理解できる程度)と技術(面実装部品の半田付け)が必要です…。ちょっと難易度高すぎますね。
というわけで,XRシリーズは以前から気にはなっていたのですが,積極的にいじるスキルのある方以外にはあまりお薦め出来ない印象です。特に,ポン置きで 適当に繋ぐ場合にはいい音にならない気がします。フルデジタルということにあまり過剰な期待を寄せるのは良くないということでしょうか。