ネットワーク関連パーツ

意外と侮れないネットワークー関連パーツ

PCをホームネットワークにつなげている場合,LANを媒介としたグラウンドループが発生しやすく,これを原因として音質が変化することがあります。代表的な考慮要素としては,LANケーブル,スイッチングHUB,ルーター,モデム等が挙げられます。
スタンドアロンタイプでPCオーディオを楽しまれている方は考慮する必要はないですが,反面リッピング用ドライブをどのように取り扱うかという問題に頭を悩ませるのと(外付け化して使用しないときは取り外してしまうのが無難?),ネットワーク構築の煩雑さに頭を悩ませるののどちらが悩ましいかを判断して決定する必要があるでしょう。

LANケーブルの選び方

理論的な話

LANはパケット伝送方式なので,基本的にどのようなケーブルでもデータが改変されることはあり得ません。
また,S/PDIF等と異なり,データとクロックが同期しなければならないものでもないのでLANで送っている最中のデータについてジッターを論じる必要もありません。ロスしたら再送すればよいし,それが原因で音がとぎれることは滅多にないでしょう。

実際はどう?

しかし,上述の結論と異なり,どうにも聴感上は影響がある気がしてなりません(ここでいう聴感というのは最終的にスピーカーから聞き取る段階の話で,アナログ領域です)。
というわけで,仮説としては,グラウンドループやノイズの媒介が考えられます。 現在のハイスピード伝送対応ケーブルはSTP(シールド付ツイストペア)なので,シールドをどのような素材にするか,またどのようにシールドするか,さらにはアースを落とすかどうか,といったところで電気的に繋がっている機器に影響を及ぼすことが考えられます。

LANを媒介としたグラウンドループの問題は,スイッチング電源を多用するPCオーディオでは避けて通れないので,この問題を少しでもへらそうとするのであれば,(1)おとなしくUTP線を使うか,(2)リニア電源を自作する,もしくは究極的方法として(3)メディアコンバーターで通信経路を光ファイバー化してしまうかしかありません。これらですら,完全に解決することはないというのがオーディオの難しいところです。

何を選べばいいの?

私感では,LANケーブルの選択は予想以上に効果があります。これはある程度ノイズ対策が進んでいるマシンやセンシティブな環境であれば同様の変化をするのではないかと思います。
拙宅の場合,CAT5e,CAT6e,CAT7とリプレースしてきましたが,CAT7が断トツに変化量が大きく,費用対効果としてすばらしい効果を発揮しました。
私はサンワサプライから発売されているCAT7ケーブルを使っていますが,10m以上の長さと,それ未満では構造が異なります(10m以上だと単線)。また,被服の色によって音が若干違うそうです。興味のある方は比較試聴されてみてはいかがでしょうか。
なお,現在はエレコムからもCAT7ケーブルが販売されていますが,どうもさわった感じ作りはサンワサプライのほうが良いみたいです。エレコムはちょっと軟弱な感じで,比較試聴してみるともわついた音になりますね(理論的根拠は全くなし!)。
サンワサプライのプラグの金メッキはフラッシュ金メッキみたいなものなので,金色メッキかもしれませんが(笑),ケーブル部分がしっかりしているので,私はサンワサプライ派です。

サンワサプライ カテゴリ7LANケーブル1m KB-T7-01W
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LANカードの選び方

高速対応である必要性はない

1000BASEのLANカードはノイズが飛躍的に増加してしまうのか,音質的にはさっぱりです。少なくとも消費電力は増加してそうな感じですね。ですので,100BASEのLANカードを用いるのが良いでしょう。本当は10M接続が最も音質が良好だったのですが,実用性が皆無なので100M接続を推奨しておきます。

お勧めのLANカードは?

特にintel製のLANカードは動作も安定しており,お勧めできます。入手性がよくドライバ安定していて,最低限の機能しかないものとしては,Intel 82559のチップを利用したカードが挙げられます。秋葉原で1500円も出せば買えるので,お勧めです。

LANカードドライバの設定

余計な機能を殺していくと音質が変化するので(CPUパワー消費量やLANカード自体の消費電力が変わるためと考えられます),とことん詰めてみたいと言う方はどうぞ。

VDSLモデムの対策

同じモデルのVDSLモデムをひょんなことから複数台手に入れたのですが,なんとかなり音が違うのです。旧バージョンのほうが中域?高域にかけてなめらかで,新バージョンのほうがHiFi調。VDSLモデムで音が変わって聞こえるというのも嫌な話ですが…。一般にVDSLモデムは1契約1台ですので,非常に特殊な実験ではあるとおもいますが,実際問題として,音の違いはありましたので,対策をすればそれなりに変化することも考えられます。
拙宅での変化量の度合いは,無線LANルータ>HUB>VDSLモデムでしたが,環境によっては逆転する可能性もありますので,検討する価値はあるでしょう。

メディアコンバーターを使う

メディアコンバーターとは?

最近はLANケーブルもSTP(シールド付ツイストペアケーブル)のものが多くなりまして,PCオーディオをやっている以上は,アースをどうするかという悩ましい問題があります。
一般的には,ループを避けて浮かせばよいかなとおもうのですが,ACアダプタ(トランス式,スイッチング式)のものやスイッチング電源内蔵のも の,100Vのものや200Vのもの,はたまた電源の相が逆のものといったかたちで,種々の電源環境が入り乱れやすいのが現状ではないかと思います。

そんな中,某氏と雑談しているうちにメディアコンバータを通すという手があるのではないかという話になりました(ネットで既に実践されている方もいらっしゃるそうです)。メディアコンバータというのは,こんな製品です。
簡単にいうと,普通のメタル線LANケーブルから光ケーブルに変換してくれる機械です。基本的には2個一組で使います。ルータ側NIC→(メタル線)→[メディコン]→(光ファイバ)→[メディコン]→(メタル線)→PC側NICといった形になります。
こうすることで,LANに起因するアースループは生じないことになるので,ネットワークについての悩みがかなりシンプルになります。

BUFFALO 光メディアコンバータ 2芯マルチモード 100BASE-TX:100BASE-FX(SC) 2km LTR2-TX-MFC2R
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メディアコンバーターにも色々

そこで,アライドテレシスという主に業務用ルーター・HUBを作っている会社のメディアコンバーター中古品を秋葉原で調達してきました。アライドテレシスのメディアコンバータはマルチモードファイバのものです。
アライドテレシスのメディアコンバータの良いところは,電源内蔵タイプのラインナップがあり,200Vも対応している点です。おおよそ以下の様な発想でよいかと。

電源内蔵タイプとACアダプタタイプの比較(相対比較)

  • (内蔵)インレット対応する・(アダプタ)専用ACアダプタか安定化電源が必要
  • (内蔵)100V~240Vまで入れられる・(アダプタ)100V専用
  • (内蔵)電源が出すノイズの量が少なめ・(アダプタ)電源が出すノイズの量が多め
  • (内蔵)消費電力が大きい・(アダプタ)消費電力が小さい
  • (内蔵)100Vだと電源の位相が問題になりやすい・(アダプタ)電源の位相が問題になりにくい

理想型は,低消費電力・低ノイズながら高品位の電源部を有し,インレットプラグ対応で,100V・200Vの切り替えがあるものですが,そんなものは世の中にありませんので,ないなら妥協するか作るしかありません。

音の印象

当初は,あまりはかばかしいものではなく,強いて挙げれば低域の量感が増えてエネルギー感が増したかなーというのと,ちょっと 空間の見通しが良くなったかなーくらいで,これを大々的に推奨する気にはなれませんでした。マルチモードだし仕方ないかなぁという感じも…。

そこで,物は試しに電源ケーブルを自作品に入れ替えてみました。すると,いきなりシステム全体の質感がそのACケーブルの方向にひっぱられるではないですか。ネットワーク系パーツで音が変化するのは,グラウンドループが影響しているというのが最近よく見かける見解なのですが,電源ケーブルの音の変化が見事に現れるあたり,なかなか説得力のある見解です。メディアコンバータ単体の音質傾向なんて有って無いようなものかもしれません。それくらいACケーブルの音色は支配的です。
というわけで,メディアコンバータの電源ケーブルは吟味すべし,というのが現状での結論です。なので,付属ACアダプタをそのまま使うのはたとえシングルモードのものであってもちょっと使うことに躊躇してしまいます。やるなら安定化電源+ちゃんとしたACケーブル,でしょうか。

メディアコンバーター使いこなし

WAN(イメージ的にはルーターに近い方)側メディコンの電源ケーブルは当然のごとく付属品でした。なぜかといえば光でアイソレーションして信号変換してるんだしバイナリは一致してるわけですから(でないとデータがまともにやりとりできない),WAN側電源ケーブルで音が変わってたまるかというのが正直なところです。が,どうにも音が変わって聞こえます…。WAN側メディコンの電源ケーブルはオヤイデのPA23と真鍮無メッキプラグコンビにしたんですが,どう聴いてもオヤイデトーンですね。不思議です。

ネットワークの低ノイズ化対策

ENELOOPを応用したPCオーディオ専用ネットワーク

その後,アライドテレシスの中古品は壊れてしまいましたので,バッファロー製のものを新たに買い足しました。これを機に,PC用ネットワークの電源環境について改めて考えてみたいと思います。

リチウムイオン電池でiPhone用に最適と評判なのが,SANYOが販売しているKBC-L3SKBC-L2Sです(リンク先はAmazon)。前者はフル充電1.5回分,後者はフル充電3回分充電できます。しかし,これをiPhoneだけに使うのはもったいありません。そこで,オーディオ機器系統の電源にACアダプタが存在するなんて信条的に許せませんので,光メディア コンバータをバッテリー駆動してみることにしました。幸いメディアコンバータは5Vで動くので,USB-DCプラグ変換ケーブル(例:PWC100)を使えばいいだけです。

他にも,USB端子から電源を取ることが出来る機器や5VDCの単電源があれば良い機器であれば,同じ手法でバッテリー駆動が楽しめます。
現在はバッファローからLSW-TX-3EPという超小型のUSBバスパワーHUBが登場しています。こちらをつかってPCオーディオ用ネットワークは完全にバッテリー駆動にしてみるのも面白いですね。光アイソレーション+バッテリー駆動で,グラウンドループは単純化できますから,精神衛生上もよいです。

BUFFALO 10/100M対応 スイッチングHub黒 LSW3-TX-5EP/BK
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もっとも,ACアダプタよりは確実に良いものの,高品質な5V安定化電源と比べるとやや音場が狭くもやっとした音に感じます。バッテリーをDC-DCコンバーターで昇圧していることが影響しているようです。

コトヴェールのLAN用チョークコイル

コトヴェールから販売されているLAN用チョークコイルがちょっと話題でしたので,私も試してみました。結論からいって,これは買いです。
http://www.coteau-vert.co.jp/products/TG-new/TGM.html

コトヴェール TGM(タッピングガードモジュール) for LAN TGM100BT
コトヴェール TGM(タッピングガードモジュール) for LAN TGM100BT
  • メーカー: コトヴェール
  • 発売日: 2005/08/18
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音的に悪さをする感じはなく,端的にS/Nが向上する印象を持ちました。NAS等でデータを再生マシンと分離して保存している方には,特におすすめしておきます。お勧めの場所はHUBもしくはルータと再生マシンとの間でしょうか。特に,FCC ClassAやVCCI ClassAの機器に対しては効果が期待できますね。

同じような方向性のものとしては,日本光電のLAN用アイソレーショントランスというものもあり,そちらも非常に効果的です。
ただ,使いどころが難しく,PCトランスポート用NICの直前でトランスを使ってしまうかどうかは悩みどころです。プラセボ的な視点からは,信号経路にトランスが入るのってどうなの?という疑問があったりしますし(JEFFは信号用トランス大好きですが)。

議論状況

LANによるグラウンドループ発生とその対策については,パルストランスが入っているからという理由で否定的に考える方が多く,また伝送するデータの性質上ジッターが問題とならないことから,ネットワーク関係のパーツを音質を考慮して取り替えること自体に否定的な見解もみられます。
もっとも,トランス類は全ての帯域で絶縁できるわけではなく,実際の設計上の観点から対策をすべきとする見解もあります。

参考

○LANはグラウンドループを作りますか
http://kanaimaru.com/AVQA/q7001.htm
○前代未聞!LANケーブルの比較試聴?
http://freestyle20.blog92.fc2.com/blog-entry-152.html
○(廉価?)ネットワークプレーヤーのまとめ
http://freestyle20.blog92.fc2.com/blog-entry-154.html
○デジタル信号におけるアイソレーションの重要性2
http://www.fidelix.jp/technology/isolation2.html