USB関連

USBバスパワーの課題

USBオーディオの大半がなぜいまいちいい音にならないのかということは数多くのサイトやBlogなどで言及されていますが,USBバスパ ワー(USB端子からの5VDC出力・上限500mA)駆動の機器の問題点のひとつに,USBバスパワー出力の品質が悪いということが挙げられます。

USBバスパワーの品質がいまいちな理由はいろいろな分析の仕方があるとおもいますが,簡単にいってしまえばPCプロパーの世界では,ある程度の品 質以上は過剰品質となってしまって必然性がないということだと思います。大半のUSBオーディオ機器は5VDCから3.3VDCなどを生成するために DC-DCコンバーターやレギュレーターを内蔵していますから,USBのバスパワーはそれなりの品質があれば十分動作する,という理解もあながち間違いと は言い切れません。

ただ,一般論としてはそうであっても,音質にこだわりのある方であれば,DC出力の品位が再生音に大きく影響していることは経験上明らかであって,これを改善することができるのであれば超したことはないわけです。

USBバスパワーの品質を改善しよう

USBカードを使う

USBパスパワーの品質が悪い原因の一つに,マザーボードのUSBコネクタから電源をとっているということが挙げられます。そこで,PCIまたはPCI-Expressのスロットを使うUSBカードを挿して,そこからバスパワーで駆動するという方法もあるでしょう。

ラトックシステム USB3.0 2ポート PCI Expressボード(LowProfile対応) REX-PEU3
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フィルタを使う

USBのフィルタ(パスコン)として動作するものとしては,Buffalo製のUC-BSTがあります。

BUFFALO UC-BST バスパワーブースト機能付き USB2.0ケーブル
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UC-BSTは元々はUSB-HDDをバスパワーで何とか動かせないかという着眼点のもと,コンデンサに電気を貯めて置いて電流を一気に流せるよう にすれば起動時の負荷に耐えられるよね!という発想で出来た製品です。これは,通常はHDDの起動時に電流不足になってしまい起動失敗というパターンが多 いためです。
UC-BSTで使われているコンデンサは電気二重層コンデンサというもので,色々な用途で使われますが,リップルを除去したいという場面でも使われます。 つまり,直流電流から交流成分を除去することができるわけですね。また,コンデンサ全般には,程度の差はありますが高周波のノイズフィルターの効果もあり ます。

使用上の注意としては,入力部のケーブルがあまり長くないこと,出力端子がMini-B端子であることが挙げられます。iQubeV2ではベストで すが,その他のUSBオーディオ機器では接続が難しいケースも考えられますので,変換ケーブルを用意されると良いでしょう。HUB経由で接続される場合 は,機器に近い側に。変換ケーブルを使われる場合は,できるだけ出力側のケーブルを短くしてください。Mini-BをB端子に変換してくれるものとしては下掲。

ELECOM AD-USBM5FTBM USB変換アダプタ
ELECOM AD-USBM5FTBM USB変換アダプタ
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バッテリー駆動する

USBバスパワーではなく,バッテリー給電する方法もあります。バッテリーは電源のインピーダンス(交流抵抗)は高いのですが,PCからのノイズやリップル(直流のゆらぎ)の影響を受けないので,バスパワー駆動に比べて電源品質を向上させることができます。方法としては,特殊な二股の分岐ケーブルとUSB出力端子のあるバッテリーを併用します。

ケーブル自作の際のピンアサインは下掲を参照してください。
○『USBケーブルの解説』
http://www.cabling-ol.net/cabledirect/pdf/usb.pdf

【二股ケーブルの作り方】

  1. 2芯シールドケーブル(必要長さを2本),USBコネクタ(A/B,miniを間違えないように!)を用意します。PC側にAコネクタ,オーディオデバイス側にB(mini-B)コネクタが一般的です。
  2. 【PC側コネクタ】DATA+,DATA-,GNDの3箇所を半田付けします。
  3. 【充電用コネクタ】(色々形状はありますがここではエネループを使うならUSB A端子)+5VとGNDを半田付けします。
  4. 【デバイス側コネクタ】ケーブルの1本をDATA+,DATA-,GNDの3箇所を半田付け,もう1本は,+5V,GNDの2箇所を半田付けします。GNDはシールド部分を撚って先端を細く加工すると半田付けしやすいでしょう。カバーを先にケーブルに通しておかないと泣きをみるので注意!
SANYO USB出力付きリチウムイオンバッテリー (専用高容量リチウムイオン電池使用) KBC-L2BS
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なぜこのような方法になるのかというと,USBケーブルを介してUSBオーディオデバイスとPCのGNDがつながっていないと(つながってるように見せないと),PCがデバイスを認識できず,データを送受信できない仕様だからです。また,普通の二股ケーブルではバッテリーからの電流がPCに逆流する可能性があるので絶対に使わないで下さい。

【USBアイソレーターとバッテリーを併用する】

上述のバッテリー方式ですとGNDのアイソレーションができないので,PC側からの影響も考えられます。そこで,GNDをUSBアイソレーターで分離してしまうのがよいでしょう。

  1. PCにUSBアイソレーターをつけます。
  2. 二股のUSBケーブルの信号側端子をUSBアイソレーターの出力端子に接続し,二股USBケーブルの電源側端子をUSBのエネループに接続します。
  3. サウンドデバイス側にケーブルを繋ぎます。
  4. エネループの電源を入れます。

ただし,PCからのデータ転送のタイミングでPLLが動作する一般的なUSBオーディオデバイスの場合,アイソレーターを経由することになるこの方法は結局のところジッターは増えるか減るかわからないということは頭の片隅に置いておいてください。加えて確実にジッター減らしたければ,さらにバルク転送のデバイスかAsynchronousのデバイスを使うのが望ましいでしょう。

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